白ワイン全解説。味・産地・人気・オススメ・美味しく飲むコツまで総まとめ!
白ワインの味わいの特徴
白ワインと一括りに言ってもいろんな味わいがありますが一般的な白ワインの特徴としては冷やして美味しい、渋みが穏やかで飲みやすく初心者でも挑戦しやすいものが多い印象です。
すっきりした味わいからリッチでコクのある白ワインなど味わいの幅も広いので、この記事を活用して是非、自分好みの白ワインを見つけてみてくださいね。
赤ワインとは何が違うの?
赤ワインと白ワイン。見ての通り、液体の色味が違います。 勿論、そんなのは説明されなくても分かりますね。
ではこの全く異なる色味となる大きな違いを2つに分けてご紹介いたします。
① 赤ワイン・白ワインでは使用する葡萄の皮の色が異なります!
白ワインは白葡萄、赤ワインは黒葡萄を使用して作られます。 イメージとしては、白葡萄は「マスカット」のようなブドウの皮の部分が緑色の葡萄を、 黒葡萄は「巨峰」みたいな皮が黒い葡萄を使用し造られているのです。
葡萄の色の違い、これは一番分かりやすくイメージが付きやすいかもしれませんね。
② 製法の違い
白ワインと赤ワインを並べてじっくり観察してみると、白・赤の色の違いは見ての通りですが、よーく見てみると液体の透明感にも違いがあることに気が付きます。
ほぼすべての白ワインはグラスの反対側の様子がよく見えるほど透き通っています。 しかし赤ワインはどうでしょう。 勿論、透明感のある赤ワインもゼロではありませんが、ほとんどの赤ワインは不透明なものが多くグラスの反対側の様子が分かりにくいものが多いでしょう。
この違いはずばり「ワインの製法」に違いがある為に出るものです。 ザックリと説明すると、白ワインは葡萄を絞り皮や種を取り除き、出来たジュースを発酵させて造られます。
それに対して赤ワインは葡萄を絞った後、葡萄の皮や種をそのまま漬け込んでおき葡萄の皮から色素がぶどうジュースに赤く色づくまで漬け込んでから発酵させます。 皮をじっくりと漬け込み葡萄の皮の色素を抽出するから真っ赤で不透明な液体に仕上がるのですね。
確かに、「巨峰」などの皮が黒い葡萄の果汁をよく見ていると透明~薄いピンク色で初めから果汁が赤いわけではありません。 ピンク色…そう、余談ですが黒葡萄を白ワイン仕立てにしてワインを造るとロゼワインが出来るのです!
白ワインの有名品種とその味わい
では、白ワインの造られ方が分かったところで、ここでは白ワインで使用される有名なブドウ品種をいくつかピックアップしてご紹介いたします。
同じ白葡萄ですが、品種によって本当に味わいや香りが異なるので葡萄品種の個性を知ることで自分好みの味わいのワインが見つけやすくなります。 是非、チェックしてみてくださいね!
白ワインの有名品種① シャルドネ
シャルドネは一般的に葡萄に特出した個性がないニュートラルな葡萄品種と言われています。大きな個性が無い分その土地の気候・風土の個性が葡萄に反映されやすく様々な味わいを表現できるユニークな葡萄品種です。
涼しい産地だとレモンやグレープフルーツのようなキリっとした味わいになりますし、温かい産地だとマンゴーやパイナップルのような南国フルーツを思わせるフルーティーなワインに仕上がります。
掴みどころがなく味わいが七変化するシャルドネはなんともミステリアスな葡萄品種ですよね…?
白ワイン有名品種② ソーヴィニヨン・ブラン
ソーヴィニヨン・ブランは爽やかなレモン、ライム、グレープフルーツのような爽やかな柑橘類やミントやレモングラスのような植物的なアロマが魅力的な葡萄品種です。
非常にすっきりとした味わいなので、お食事との相性も良くフードライクなワインが多い印象です。
白ワイン有名品種③ リースリング
極甘口~辛口までスタイルの幅が広く、華やかな香りが特徴的なリースリング。 ドイツの甘口リースリングは日本でも非常に有名なので、『リースリング=甘口ワイン』と誤解されている方もよく居られます。
リースリングの甘口ワインは香りが華やかでうっとりするような上品な甘みが魅力的ですが、近年では辛口のリースリングも非常に有名です。 柑橘類や若い林檎のようなジューシーな果実味や伸びやかな酸、白い小花を思わせる強すぎず奥ゆかしいフローラルな香りが特徴的で、非常にバランス感に富んだワインに仕上がります。
白ワインの有名産地
先ほど白ワインの有名葡萄品種を3つ今回ご紹介いたしました。 では、お次は白ワインの有名な産地を見てみましょう。
白ワインの有名産地① ブルゴーニュ
多くのワイン好きを魅了するフランスを代表するワインの銘醸地・ブルゴーニュ。 ピノ・ノワールを使用した赤ワインも非常に有名ですが、白ワインもとっても有名。
ブルゴーニュでは主に『シャルドネ』を使用した白ワインが有名です。
ブルゴーニュは北南に縦長の産地なので北と南では大きく味わいが変わります。 北は「シャブリ」という冷涼な産地が有名でキリっとした酸が特徴的なすっきりとした白ワインが多く造られます。南の方のエリアは林檎や桃を思わせるまろやかな果実味が魅力的でリッチでエレガントな味わいの白ワインが多く造られています。
白ワインの有名産地② ニュージーランド
近年ニュージーランドは「ソーヴィニヨン・ブラン」の評判が高く注目の産地のひとつ。 「ソーヴィニヨン・ブランの聖地」と言われている程に人気の産地なんですよ!
ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは柑橘系やハーブ、パッションフルーツのような甘酸っぱい果実味が魅力的です。 爽やかな柑橘やミントの爽やかな香りに混ざる、華やかなパッションフルーツのような果実味のアクセント…!この素晴らしいバランス感に一度飲むと虜になってしまう人をワインショップ店員時代にたくさん見てきました…!そしてもちろん私もその一人です。
白ワインの有名産地③ ドイツ
白ワインの銘醸地で、ドイツで造られるワインは圧倒的に白ワインが多いです!
甘口ワインが非常に有名な産地ですが、辛口ワインも造られています。 ドイツワインは様々な葡萄品種が作付けされていますが、中でも「リースリング」が最も有名です。
リースリングは伸びやかな酸と透明感が魅力的なので、甘口ワインでも酸が綺麗で甘ったるくなく大人っぽい味わい。甘すぎるワインが苦手な方でも非常に飲みやすく美味しいです。 繊細で上品な味わいのリースリング。辛口ワインは和食とも相性抜群です。
初心者でも楽しめるおすすめ白ワイン4選
① アメリカ・カリフォルニア×シャルドネ
カリフォルニアのシャルドネはリッチでボリューム感のあるしっかりめ白ワインとして人気が高いです。
蜜りんごやパイナップルを思わせる鮮やかな果実味とバターやヘーゼルナッツの様な深みのあるリッチな味わいにカリフォルニアのシャルドネの虜になってしまう人が続出!
味わい深く香りもとりやすいので初心者の方にお勧めのリッチ系白ワインです。
② イタリア・サルディーニャ×ヴェルメンティーノ
爽やかな味わいがお好きな方にお勧めしたいのがイタリア・サルディーニャ島で造られるヴェルメンティーノを使った白ワイン。
柑橘や青りんごの爽やかなアロマと塩味のニュアンスがなんともバランスがよく、さらっと飲めてしまうのでついつい飲みすぎてしまうくらい飲みやすいフレッシュな白ワインです。
海に囲まれた地域で造られるこちらのワインには魚介類を使ったお料理が相性抜群です。
③ フランス・アルザス×ゲヴェルツトラミネール
ゲヴェルツトラミネールという難しい名前の葡萄品種ですが、突出した個性で一度飲んだら忘れられないワインのひとつです。
ライチやマスカット、バラの花の様なフローラルな香りが印象的なアロマティックな葡萄品種です。その香りの上品さから「飲む香水」と言われるほど香りがよくグラスに注いだ瞬間からいい香りが立ち込めてきます。
特に冷涼な産地フランス・アルザス地方で造られるゲヴェルツトラミネールはこの華やかな香りを残しつつ、味わいは思いの外ドライなので甘やかになりすぎずお食事にも合わせやすく非常に使い勝手の良いワインです!
特にエスニックや中華料理と相性抜群な白ワインで、私はスイートチリソースの生春巻きにアルザスのゲヴェルツトラミネールを合わせるのが大好きです。ワインとお食事が無限に進む危険なマリアージュになること間違いなしです!
④ イタリア・ピエモンテ×モスカート
イタリア・ピエモンテ州のモスカート(=マスカット)を使用した甘口の微発泡白ワインも初心者の方に非常にお勧めです。
ぷちぷちと口の中で弾ける柔らかい泡、ふわりと香る林檎や洋ナシの様な柔らかい果実味、わたあめのような優しい甘みが特徴的な甘口白ワイン。しかも低アルコールの物が多いのも嬉しいポイント!
そして、甘口ワインは比較的ワインの味わいの変化が穏やかなので、微発砲の泡は消えてしまいますが甘口白ワインとして1週間ほどはゆっくりとお楽しみいただくことが出来ますよ。
シチュエーションごとに見るおすすめ白ワイン
宅飲み/デイリーワイン編
ワインってやっぱり高級品。というイメージが強いですがリーズナブルな価格でも美味しいワインは沢山あります。
安旨の王道としてはチリワインが有名ですね。チリワインは以前「安かろう悪かろう」のイメージを持たれている事も多かったのですが近年のチリワインのクオリティーの向上には目を見張るものがあります。
また日本・チリでEPA(経済協力協定)が結ばれたことにより輸入時の関税が抑える事が出来るようになった為、よりチリワインが安く手に入りやすくなりました。 親しみやすい味わいが魅力的でコストパフォーマンスが高いチリワインは普段飲みのワインとしてはぴったりの1本かと思います。
チリ産のシャルドネやソーヴィニヨン・ブランなどがお食事とも合わせやすくお勧めです。 また、個人的にはアルゼンチンのワインもコストパフォーマンスが高くハズレを引かないイメージがあるので普段飲みに重宝しています。
アルゼンチンの白ワインであれば華やかな香りのシュナン・ブランという葡萄品種を使用したワインがお勧めです!
特別な日用のワイン編
特別な日のワインであればやはり、本格的な味わいが楽しめるブルゴーニュのシャルドネがおすすめです。
上品な香りと淑やかな酸、ほのかな樽の香りがなんとも上品なブルゴーニュのワイン。 きっと特別な1日に華を添えるワインとなる事間違いありません。 ブルゴーニュといえど範囲は広いのですが特にムルソー村やピュリニー・モンラッシェ村やシャサーニュ・モンラッシェ村が人気です。
ギフト用のワイン編
ギフトでワインをプレゼントする時にお好みが分からず差し上げるワインに困るようであれば、ワインに季節感を持たせるのがおすすめです。
例えば夏ならばすっきり爽やかな白ワイン、冬ならリッチでコクのある白ワインがお勧めです。 やはり、夏であればキンキンに冷やして美味しいような爽やかなワインが飲みたいですが、冬に飲むのであれば少し涼しすぎますので濃いめのコクのある味わいのワインの方が美味しく感じる傾向が強いです。
暑い季節であれば爽やかさが魅力のソーヴィニヨン・ブランやリースリング、寒い季節であればカリフォルニアやチリのシャルドネがお勧めです。
白ワインとお料理のペアリング
白ワインはお魚、赤ワインはお肉というイメージがありますが、白ワインは品種や味わいを理解することで比較的にどんなお料理にもばっちり合わせて頂くことが出来ます!
お魚料理でも、お刺身などの生食であればスッキリとした味わいが美味しいですが、お魚のムニエルなどでしたらリッチな樽の香りがきいたシャルドネがよく合います。
お肉も同様に、シンプルに焼いた鶏肉や豚肉、ボイルしたシンプルなソーセージなどには爽やかな白ワインがよく合います!お肉=リッチなコクありワインと考えず調理法や調味料を意識するとワインのペアリングが考えやすいですよ。
白ワインとお料理のペアリングの詳細は「【初心者用】白ワインと料理のペアリングのコツ!品種ごとのおすすめ例は?」で詳しくご紹介していますので、気になる方は合わせて覗いてみてくださいね。
これを知ってると通!白ワインの豆知識
白ワインの味わいを語る上でかかせない「樽」
ワインの説明などを読んでいると出てくる「樽」というワード。
「樽」で熟成させているとか言うけれど具体的にどんな効果があるのかな?と疑問に思う方も少なくないはず。
一体、ワイン造りを行う際に「樽」を使用するとどのような効果があるのでしょうか?
主に下記のような2つの効果が期待できます!
① 味わいがマイルドで酸が穏やかになる
樽の中にワインを保存する場合、ステンレスのタンクと異なりほのかに樽を通じて少量の酸素がワインに溶け出します。ワインが酸素を取り込むことで酸が柔らかくなり優しい味わいに仕上がります。
② 木樽由来の成分がワインに溶け出し複雑味が加わります
よくワインを表現する上で、ナッツやヴァニラ、バターなどと表現されますがこれは樽から影響を受けて出る香りです。この香りがワインに溶け込むことにより香りに複雑味がプラスされリッチで深みのあるワインに仕上がります。
白ワインを更に美味しく飲むには?
ワインをより美味しく楽しむためのコツはずばり、ワインの適温で飲んであげることです。
ソムリエじゃないんだからそんなの分からないよ…。と思われるかもしれませんが思いのほか難しくありません。 さっぱりしたワインはキンキンに冷やす。香りの華やかなワインはほんのり冷やして飲むのがお勧めです。
白ワインを飲む時、基本的には冷蔵庫で冷やしているかと思いますがワインは冷やしすぎると香りが取りにくくなってしまいます。 なので、香りを楽しむタイプのワインは「ひんやり」くらいの少し冷たい温度で冷やしすぎずに飲むことでワインの香りが最大限に楽しむことが出来ます。
やり方は冷蔵庫でキンキンに冷やして飲む30分前に常温に戻すだけ! これだけで適温になりワインの香りはグラスを超えて華やかに香ります。
出来れば、ワイングラスをワインによって使い分けるとなお良いのですがこれはまた機会があれば…。
是非、香りが華やかなワインは敢えて少し温度を上げて飲んでみてくださいね。
まとめ
今回は白ワインの造り方、葡萄品種や産地、楽しみ方まで幅広く白ワインの魅力について触れていきました。
品種や産地をザックリ理解するだけでも結構自分好みのワインに出会いやすくなるので、是非この記事を活用して自分好みの白ワインを見つけてみてくださいね。