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【一目でわかる初心者用】ワインはもう値段だけで選ばない!好み別おすすめワイン丸わかり!

ワインの選び方

ワインアドバイザーとして店頭に立っている時、ワインでも買ってみようかな・・と、ふらりと立ち寄られたお客様にはいくつか決まって伺うことがあります。

ご自宅用か、はたまたプレゼント用か、今夜の夕食と合わせるご予定かなどなど、なるべく短時間でお好みのワインを見つけられるようにお話するのですが、決め手の質問はこれ。

「軽やかでさっぱりとしたタイプ、それとも、しっかりとした飲みごたえのあるタイプ、どちらがお好きですか?」

そこから具体的なワイン探しがスタートします。

この記事でも、ぶどう品種からラベルの見方まで、お好みに合わせたワイン選びの参考になる情報を取り揃えました。

お気に入りのワインが見つかる“はじめの一歩”、踏み出してみませんか?

好み別に解説!こんなのが好きならこの品種!

ワインの選び方

ワイン選びのポイント

「ボディ」 ワイン選びの基準のひとつにボディという言葉があります。

「骨格のしっかりした男性的なワイン」「ふくよかで優しい女性的なワイン」など、ワインを男女のイメージになぞって表現することが多かった事から生まれた言葉ですが、一言でいえば、ワインのボリューム感のようなものを表しています。

このボディがワイン選びのポイント

冒頭でもお話しましたが、軽やかでさっぱりとしたタイプをライトボディ。しっかりとした飲みごたえのあるタイプをフルボディ。その中間のようなタイプをミディアムボディと呼び、この言葉がわかればお好みのワインに近づけたも同然!

さっそく次の章でボディ別におすすめのぶどう品種をいくつかピックアップしてみましょう。

白ワイン編

<ライトボディ>品種:ピノ・グリ

「Pinot Gris」の「Gris」はフランス語で「灰色」。黒ブドウである「ピノ・ノワール」が突然変異して生まれたピノグリは、「タンニン」と呼ばれる渋みを少しだけ含んだ灰色のぶどうです。

フランスのアルザス地方など、比較的冷涼な土地で育ち、控えめな酸味と心地良い飲み心地から放たれる香りは、蜜リンゴ、ナッツ、はちみつなどいろいろな表情を楽しませてくれます。 “香りのタンニン”と呼ばれるお蕎麦との粋なペアリングもぜひ一度お試しを。

<ミディアムボディ> 品種:ソーヴィニヨン・ブラン

風に乗るハーブや、みずみずしい柑橘系の果物。思わず深呼吸したくなるような心地よいイメージそのままの清々しい味わい。緑色のニュアンスに包まれた爽やかなワイン、ソーヴィニヨン・ブランは、その順応性の高さから幅広い国々で愛される人気の高いぶどう品種です。

いろいろなお料理に合わせられますが、おすすめは鮎。清流の中の苔や藻を食べるため「香魚」と呼ばれるほど香り高い鮎の、緑をイメージする風味とソーヴィニヨン・ブランは絶妙の相性。旬の季節、夏までちょっと覚えていてくださいね。

<フルボディ> グルナッシュ・ブラン

フランスの南、ローヌ地方を中心に世界各国の暖かな場所で造られている赤ワイン用ぶどう品種、グルナッシュの突然変異と言われるグルナッシュ・ブラン。

ルーサンヌなど、他のぶどう品種とブレンドされ、幅広い価格帯ながら満足度の高いワインを生み出します。黄桃や洋梨、トロピカルフルーツなど、凝縮された果実味とボリューミーでやわらかな味わい。

フラワリーな要素も兼ね備えた華のあるワインです。

赤ワイン編 

<ライトボディ> ガメイ

ボージョレーヌーヴォーでおなじみ、ガメイ。

フランスはブルゴーニュ地方、ボージョレー地区原産のブドウ品種です。輝くようにあざやかな紫色。苺やチェリー、キャンディーのようなチャーミングな香り。甘さを感じさせるような軽やかな味わいは、飲み疲れをしないフレッシュなおいしさです。

ボージョレー地区の中でも優れた畑で作られたワインは、熟成にも耐えられるポテンシャルの高さ。薔薇の花のようなアロマをまといます。一年に一度の新酒のお祭りに飲むワインというだけではもったいないですよ!

<ミディアムボディ> カベルネ・フラン

フランスはボルドー地方原産のぶどう品種で、歴史は古く、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといったぶどう品種の親にあたると言われています。

主にメルローとのブレンドに使用される事が多いぶどう品種ですが、単一でもすみれの花が香るような楚々とした華やかさ、しとやかで素直な果実味が魅力のエレガントなワインを生み出します。和の食材をはじめ、どんなお料理にも合わせやすい一本です。

<フルボディ> グルナッシュ

白ワインぶどう品種のグルナッシュ・ブラン共々、南フランスのローヌ地方など暑い土地で作られるグルナッシュ。晩成タイプのため、長く、強く、降り注ぐ太陽を必要とするぶどう品種です。

イチジクやプルーン、ハーブなど、天日干しをしてもおいしい食材をイメージさせるアロマは、コトコト煮込むお料理に最適。寒い日のホットワインにもぴったりです。

やや甘口・甘口ワイン編

<ライトボディ> リースリング

実も房も小さなぶどうですが、そのポテンシャルは大きい!非常に優れた耐寒性を持ち、フランスのアルザス地方、ドイツなど冷涼な土地でこそ高品質なワインを生み出します。

白い花々や柑橘類、青りんご、白桃などの香りは香水に例えられるほどエレガントで清らか。澄み渡る酸と繊細でピュアな果実味は、辛口から極甘口まで、リースリングさえあれば食事を通してペアリング出来ると言われるほど幅広いワインを醸し出します。

<ミディアムボディ> シュナンブラン

フランス、ロワール地方が故郷のシュナンブラン。はちみつや藁のような親しみやすい素朴なニュアンスを持ちながらもデリケートで洗練されたワインに開花する、愛すべきぶどう品種です。

辛口から極甘口、フレッシュな早飲みタイプから長期熟成も可能なデザートワインまで、多彩な表情を見せてくれますが、それは高い酸度のなせる技。さっぱりとした甘さのデザートワインが造られます。

<フルボディ> セミヨン

デザートワインと言えば貴腐ワイン。ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイアスー、フランスのソーテルヌが世界三大貴腐ワインと呼ばれ、ソーテルヌの主原料がこのセミヨンです。

香りの個性の乏しいぶどう品種のため華やかさには欠けますが、豊かなボディとコクは格別。香りと酸味を補うためにソーヴィニオン・ブランとブレンドすることで、堂々とした珠玉の甘口ワインを完成させます。ソーテルヌの格付けで唯一特別第一級にランクインする「シャトーディケム」は、極上の味わい!

品種が理解出来たら、産地も意識するとよりGOOD

ワインの選び方

お国柄を知ってワインを選ぼう!

まだまだたくさんの種類があるぶどう品種。世界中で栽培されていますから、その土地土地の個性がワインにも表れます

例えば、気温の低い冷涼地では豊富な酸を持つ、さっぱりとしたライトボディが、気温の高いところでは熟された味わいの飲みごたえのあるフルボディが生まれ、ぶどう品種にも得意不得意があるんですね。

こちらの章では、そんな中でも、いろんな環境に対応出来るワイン界のトップスターをご紹介。ショップやレストランで見かける事が多いので、ワイン選びの幅が広がりますよ♬

シャルドネ

全体的にバランスのいいみずみずしく素直な果実味を持つシャルドネは、これと言って際立った個性のないぶどう品種と言われながらも、ソーヴィニヨン・ブランと並ぶ白ワイン用ぶどう品種のツートップ。世界中を魅了するぶどう品種です。

ニュートラルながら、このシャルドネこそ変幻自在!ライトボディからフルボディまで、白ワインだけでなく、スパークリングワインでもさまざまな表情を見せてくれます。

例えば、原産地であるフランスはブルゴーニュ地方だけでも、硬質のミネラルウォーターのような、すっきりとした果実味と酸味が織りなす透明感あふれるシャブリ、芳醇な果実味をオーク樽で熟成させることにより深みとコクを加えたコート・ドールなど、その美味しさは尽きることがありません。

他にも、グレープフルーツや洋梨など、思わずかぶりつきたくなるような果実味が魅力のアメリカ、カリフォルニアは、温暖なお国柄の代表選手。こちらではクレーム・ブリュレを思わせる濃密な味わいのワインも人気です。

内陸で、夏と冬の気温差も激しい長野県のシャルドネも忘れてはならない一本です。柑橘系果物やトロピカルな果実のバランスの良いアロマを静かにオーク樽で包み込んだ品のある味わいは、造り手が見える美味しさです。

カベルネ・ソーヴィニヨン

フランスはボルドー地方生まれの赤ワインの花形、カベルネ・ソーヴィニヨン。カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの自然交配で生まれました。黒っぽく見えるほどの濃い紫色で、分厚い果皮と種に多くのタンニンが含まれているため、渋みのあるフルボディのワインを醸し出します。

カシスや紫色のベリーを思わせるあでやかな果実味と針葉樹などのスッとした爽快感のあるフレーバーが特徴で、骨格のしっかりした中にも上品さが漂う、世界で最も人気のあるぶどう品種と言っても過言ではありません。

原産地であるフランスのボルドー地方では、比較的フラットな気候を活かして、スッとしたたたずまいのタイトなワインが多く、メルロというまろやかな風合いのぶどう品種とブレンドする事で、長期熟成型の名だたるワインを生み出しています。

アメリカはカリフォルニアのナパ・ヴァレーでは、さんさんと降り注ぐ太陽を味方につけたパワフルな果実味のワインが魅力。他のぶどう品種とブレンドせずに、カベルネ・ソーヴィニヨンだけで醸されるワインが多いのも特徴です。

他にも、完熟フルーツのジューシーさを手軽に堪能できるリーズナブルなワインを作るチリや南アフリカもおすすめ。よりパワフルで濃厚なワインがお好みなら、お天気の多い国、アルゼンチンはいかがでしょう?

価格とおいしさはどれだけ比例するの?やはり高いのにすべき?

これまでいろいろなぶどう品種をご紹介してきましたが、ワイン選びの大きなポイントであり、大きな疑問、それは、やっぱり、お高いワインは美味しいの?ではないでしょうか。

お客様にお選びする側の私であっても、あれだけの高い値段のワインがショップ内の売り場面積を陣取ってしまう光景は驚きですし、実際に購入されるお客様を目の当たりにすると、現実味の乏しさから、ちょっとフワフワした接客になってしまったり(笑)。

ここでは、安くて美味しいワインを見つけるためのアイディアを私自身の試行錯誤も含めてお伝えしようと思います!

あながち間違いではない、お高いワインは美味しい!説

例えば格付けに入っている高級ワインなど、付加価値がたくさんついてしまったものは別にして、ワインの値段はある程度価値に見合ったものが多いと思っています。

栽培から醸造までの幅広い労働力、人件費、そして、美味しいものを作り出すために必要な原料の値段、そして、このご時世に裏付けされたさまざまな価格の高騰などなど、一本のワインの裏側に隠れた造り手の努力を知れば知るほど、ある程度の値段は仕方ないと感じてしまいます。

ただ、お財布の事を考えれば、前の章で少しご紹介したリーズナブルなワインを生産する国を狙ってみるのは大いにアリ!ですし、フランス、ローヌ地方やイタリアワインも魅力の宝庫です。

そんな事を踏まえつつ、ここでは、思い切ってフランスワインを、しかも世界中の憧れの的、ピノノワールに絞ってお話してみたいと思います。

王道のワインの美味しさを肩の力を抜いて味わっていただけますように。

「小さな土地」よりも「大きな土地」を探してみよう!

まずはピノノワールのご紹介から。

フランスはブルゴーニュ地方原産のぶどう品種ピノノワールは、たいへんデリケートなぶどう品種のため大量生産には不向きですが、輝くようなルビーレッドのワインから放たれる苺やチェリー、ベリー系のフルーツなど、赤くやわらかな果実の香り、薔薇の花のようなニュアンス、強めの酸とひかえめな渋みは上品で優雅。価格の高騰も止まらない、世界中で人気の高い赤ワインを醸し出します。

ワインの選び方

フランスにはAOC(Appelation d'Origine Controlée)と呼ばれる原産地統制呼称があります。

ちょっと難しいのでブルゴーニュ地方を例にとって簡単にお話すると、ブルゴーニュ地方の中のワイン産地を一番小さなものだと「畑」、大きなものだと「ブルゴーニュ地方」といった風に細かく区分けし、その土地で作られたぶどうの個性が明確に保証されるというもの。

つまり、AOCが小さければ小さいほど、厳しい条件の中で管理した土地で育てたぶどうでワインが醸造出来るので、その分、価格も高くなるというわけです。 そこでおすすめなのが、広い土地のAOCが付くワイン

中でも AOCブルゴーニュ・パス・トゥ・グラン、AOCコトー・ブルギニヨンのふたつが要チェック!です。

それが小さな土地になればなるほど、規定が厳しくなるAOCですが、このふたつのAOCは比較的ゆるやか。

赤ワインとロゼワインのみが認められているブルゴーニュ・パス・トゥ・グランは3分の1以上のピノノワールとガメイが使われていればOK。コトー・ブルギニヨンはブルゴーニュで作られているぶどう品種なら複数のブレンドが認められています。

その分、限定された土壌の個性よりもぶどう品種や造り手の個性がワインに反映されやすくなるので、ここは造り手の腕の見せ所!しかも、仕上がりに満足出来ない上級のワインが混ぜられている可能性があるのも、なんとも魅力的です。

ピノノワールの味わいを比較的リーズナブルな価格で楽しめる「大きな土地」のワイン。ぜひ探してみてくださいね!

遅咲きのAOCを探してみよう!

引き続きAOCの話題なのですが、今度は村のお話。

あの有名な「ロマネコンティ」という赤ワインを造るボーヌ・ロマネ村など、ブルゴーニュの村名を名乗る位の狭いAOCワインになると、価格が上がってくるのがブルゴーニュ地方です。

しかし、中には大器晩成型とでも言いましょうか、開花するのが遅く、これからどんどんお高くなっていくだろうと言われているワインがあります。

例えば、有名なコート・ド・ボーヌ地区にほど近いコート・シャロネーズ地区にあるAOCメルキュレイAOCジブリ、コート・ド・ボーヌ地区のAOCラドワ・セリニィなど。

これらの村のワインは尊名なワインを生み出す村に隣接しているがゆえに少々日陰の存在になっていましたが、ブルゴーニュ地方の高騰を受けて、めきめきと注目を浴びているワインです。

早い者勝ちかもしれませんので、お早めにゲットしてくださいね!

ワインのラベルから分かることはある?

ワインの選び方
そのワインの“履歴書”ラベルの見方とは?

これまで、お好みのワインを探し出す手がかりをいくつかお話してきましたが、ショップの店頭で実際にワイン探しをする時に役立つのが「ラベル」。

ラベルはそのワインの“履歴書”のようなもの。お好みのワインかどうか、ラベルをチェックすれば、だいたいの事を予測する事ができます。 まずはラベルのデザインを見てみることから始めましょう。

ラベルが醸し出す“雰囲気”は造り手さんの個性。こういうワインが造りたい!という“志”など、そのワインに対する造り手さんの想いがラベルには表現されています。迷ったらぜひ好きなラベルのワインを直観で選んで、造り手さんと繋がってみてください。

国や場所によって書かれた情報に違いもあり、使われているぶどう品種などを明記したラベルもありますが、わからない言葉やたくさんの文字が並ぶラベルは、見るだけで戸惑ってしまいます。

でも、先にお話してきた情報を踏まえながらラベルを見ていただければ、きっとヒントになる何かがみつけられるはず。

例えば、国名など土地の名前を表す文字を見つけただけでも、そこで作られるぶどう品種の個性からワインの特徴に思いをはせる事が可能です。

以下、ラベルに表記されている事が多い項目をあげてみました。参考にしていただき、ワイン選びにぜひお役立てください。

  • ワインの名前
  • そのワインのぶどうが収穫された年、ヴィンテージ
  • 原産国
  • 原産地呼称
  • 生産者名
  • 容量
  • アルコール度数

まとめ

いかがでしたでしょうか?ワイン選びに大切な、ぶどう品種と産地のつながりなど、お好みのワインが見つけられる情報を出来るだけわかりやすくお話させていただいたつもりですが、参考になりましたか?

この記事が、これからたくさんのワインに巡り合って、どんどんワインが好きになる皆さまの出来るだけ大きな“はじめの一歩”になれますように。

Yuko Imai

日本ソムリエ協会認定J.S.Aワインアドバイザー兼日本酒サービス研究会認定唎酒師。ボーダレスなお酒の楽しみ方を見つけると心躍る毎日。冒険の旅の行く先をいつも探しています。