【初心者用】ワインの選び方のコツ。最低限この知識だけあればOK!
ワインに興味はあるけれど、何が何だかわからなくて自分では選べない!
本当にそうですよね。私もかつてはそう嘆きながら、ワインを飲みたい気持ちを諦め、ビールなど「いつもの」お酒に走っていました。
ワインには果てしない程多くの種類がありますし、名前もカタカナがずらりと並んでいて複雑。ヒントを求めておしゃれなラベルを見てみても、何が何だかさっぱり…。
でも、大丈夫です!これからご紹介するポイントの中から、ご自身に合うものをいくつか抑えておくだけで、美味しいワインを選ぶことが出来るようになりますよ。
ワインの選び方のコツ
① ワインの色や種類から選ぶ
ワインは、その造り方の違いでいくつかの種類に分かれています。
よくわからないけれど、「赤ワインは渋い。」「白ワインは酸っぱい。」というイメージをお持ちの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこにもう少しプラスで、それぞれのタイプがどんな特徴を持っているのかを知っておくと、膨大な候補の中から選択肢をぐっと絞り込めますよ。
赤ワイン
最大の特徴は「渋み」と「ベリーの香り」。ブドウの皮ごと発酵させる赤ワインには、タンニンと呼ばれるポリフェノールが豊富で、これが口の中で渋みと認知されます。
同じ赤ワインの中でも、渋みやカシスのような香りが強くどっしりとした飲み口のものから、軽やかでイチゴのような香りを持つ飲みやすいものまで様々です。 ちなみに、この渋みの元であるタンニンには抗酸化作用があるので、美容や健康面でも良い働きをしてくれますよ。
白ワイン
最大の特徴は「酸味」と「柑橘類の香り」。白ワインには赤ワインよりも、すっきりとした酸味が備わっています。
また、レモンやグレープフルーツなどの柑橘類の香りを持つ白ワインが多く、特有の酸味と相まって爽やかな味わいです。
一般的には赤ワインより飲みやすいとされており、赤ワインよりも甘口のタイプも多く造られていますので、特に初めてワインに挑戦してみるという方にもおすすめです。
ロゼワイン
ピンク色が美しいロゼワインは、見た目のとおり赤ワインと白ワインの良いところ取りのような味わい。ベリーの華やかな香りはあるけれど、渋みはとても少なく、程よい酸味が軽やかな風味をもたらしています。
これが、とにかく食事に合わせやすいのです!飲みやすく華やかでフードフレンドリーなロゼワインは、ここ数年世界中で大ブームを巻き起こしています。
スパークリングワイン
シュワシュワ、キラキラとグラスの底から立ち上る泡が何とも美しくゴージャスなスパークリングワイン。お祝いやパーティーなど、華やかなシーンで定番のワインタイプです。
そんなスパークリングワインにも白、ロゼ、赤と色の種類はありますが、一貫して、比較的誰もが楽しめるような味わいに仕立てられています。
炭酸飲料が苦手な方へのおすすめは難しいですが、この泡があることで、酸味など、ワインに含まれる角のある要素が少しマイルドに感じられるのです。そのためとても食事に合わせやすく、前菜からデザートまでずっと寄り添ってくれる万能選手として活躍します。
オレンジワイン
柑橘類のオレンジを使っているのではなく、こちらもブドウのみから造られる、れっきとしたワインの一種。
非常に歴史のあるスタイルですが、ロゼワインの後を追いかけるように、こちらも最近大ブームを巻き起こしています。白ワイン用の品種を、まるで赤ワインの様に皮や種と一緒に発酵させるので、通常の白ワインよりも濃いオレンジ色となります。また、柑橘類の皮の部分やスパイス類などを思わせる、ちょっと独特の風味があるので、どちらかというとワインをある程度飲み慣れた方におすすめのタイプです。
② アルコール度数を意識してみる
ワインに馴染みづらい要因の一つに、アルコール度数の高さがあるかと思います。一般的にワインの度数は11~15%程で、6~8%程のビールに比べるとおよそ2倍ですね。こう考えると飲むのに少し足踏みしてしまいますが、実は、度数を抑えた低アルコールのワインも存在します。
しかも、最近はヘルシーな食文化と合わせてライトな飲み口のドリンクが流行していることもあり、低アルコールワインの種類も多様になってきています。
さらに、このようなワインには辛口もありますが、甘口が多いところも嬉しいポイント。ワインはブドウの中の糖を発酵でアルコールに変えているのですが、発酵を控えめにすることで、低アルコールかつ甘味のあるとてもフルーティーなワインが造られるのです。
+wineでも、このような低アルコールワインを多く取り扱っていますので、ぜひご覧になってみてください。
③ ワインと一緒に何を食べるか
ワイン選びが難しい時は、一緒に召し上がる食べ物がカギとなります。よくワイン好きが口にする「マリアージュ」や「ペアリング」と言うとなんだか難しそうですが、2つのシンプルなルールを覚えてしまえば、組み合わせに悩みませんよ!
色で合わせる
これは、ワインの色と食べ物の色味をなんとなく合わせる、ということ。
例えば、牛肉を使った赤褐色の肉料理には赤ワイン、魚介類や鶏肉を使った淡い色の料理には白ワイン、といったイメージです。このようにざっくりと色味を合わせることで、大抵のペアリングが成功します。
私はソムリエになった今でも、迷ったらとりあえず色だけは合わせるようにしています。
万能選手にお任せ!
ワインの色と料理の色を見比べても、なんだかピンと来ない。そんな時はピンチヒッターの登場です!
先程ワインタイプの中でもお話しましたが、スパークリングワインやロゼワインは、その味わいの特徴から懐が広く、比較的どんな食べ物にも合わせやすいです。
特に、いろんな料理を用意したけどワインは1本だけにしたい、といった場合などに、これらの万能選手は食卓全体にそっと寄り添ってくれること間違いなしです。
④ シチュエーションから考える
どんな場面でワインを飲むのか。そこからワインを考えるのも一つの手です。
例えば、女子会には、飲みやすく可愛らしいピンク色のロゼワイン。お祝いのシーンには、特別感のあるスパークリングワインが花を添えるのにピッタリです。
また、BBQにはスクリューキャップの赤ワインが断然おすすめです。道具がなくても簡単に開けられて、もし飲み残したらまたキャップを閉めて持ち帰りが可能。さらに、赤ワインなら冷やす必要もありませんし、何と言ってもBBQの主役、お肉と抜群に合います。
このように、ワインを楽しむそのシチュエーションに似合いそうなワインを選ぶのは、ただ指標になるだけでなく、その場面を想像するのでなかなか楽しいものでもあります。
⑤ 好きな香りを思い浮かべる
ワインには、本当にブドウだけで造られているのか疑ってしまうほど、品種によって多彩な香りがあります。
その香りこそが重要なアイデンティティの一つでもあるワイン。この側面から選んだワインを飲んでみると、結構な高確率で好みのものに出会いやすいのです。
元々香水やアロマが好きな私は特に、よく香りの気分からワインを選んでいます。ご参考までに、お好きな香りタイプごとのおすすめワインをいくつかご紹介します。いずれも比較的広く取り扱われている品種ですので、当てはまるものがあれば、ぜひ探してみてください。
- 爽やかな柑橘系の香り:レモンやグレープフルーツの香りが特徴のリースリング(白ワイン)
- グリーン系の香り:ハーブの香りが特徴のソーヴィニヨン・ブラン(白ワイン)
- バニラの暖かみのある香り:木樽を使って造られたシャルドネ(白ワイン)
- フルーティーでチャーミングな甘い香り:イチゴの香りが特徴のガメイやグルナッシュ(赤ワイン) / マスカットの香りが特徴のミュスカやトロンテス(白ワイン)
- フローラル系:ヴィオニエやゲヴュルツトラミネール(白ワイン)
- エレガントで妖艶な香り:カシスの香りが特徴のメルローやカベルネ・ソーヴィニヨン(赤ワイン)
- 真っ赤なバラの華やかな香り:ピノ・ノワールやネッビオーロ(赤ワイン)
⑥ 「パケ買い」もあり
CDや書籍のように、ワインをラベルなどの見た目で選ぶのも、実は立派な方法の一つ。
実際にワインのラベルには、多かれ少なかれ、その香りや味わいの印象を外見で伝えているものが多くあるのです。もちろん、全てがそうと言い切るのは難しいところ。
しかし少なくとも、ポップなラベルをまとったボトルの中身は、フルーティーで親しみやすい味わいだったり、いかにもワインらしいクラシカルなラベルのワインはエレガントな味わいであったりと、ある程度の方向性は掴めるかと思います。
また、純粋に好きな絵柄のワインに出会うと心が躍るので、それだけで美味しく感じたりするものです。加えて、もしそうして飲んでみたワインが好みのタイプであった場合、「あの絵柄のワインは美味しかった。」と覚えやすくなるので、再び探しやすいという点でも案外理にかなっています。
少し慣れてくると好みの品種や産地がわかるようになる!
初めは何もわからなくても、とりあえず見つけたワインやおすすめされたものを飲んでいくうちに、少しずつ、自分の好みの方向性が分かってきます。
私もワインを飲み始めてしばらく経った頃、「自分は酸味が少ないほうが好きだな」と気付き、優しい酸味のワインを選ぶようになりました。そしてある時、「なんとなくこのワイン、桃の香りがする…。これが美味しくて好き!」と発見したのです。
その時に飲んでいたものが、ニュージーランド産のソーヴィニヨン・ブランでした。それから、他の産地のソーヴィニヨン・ブランや、近い味わいの他品種のワインを試していくうちに、好みの要素や苦手な要素、こんな気分の時はこれ、この料理にはこれ、というように自分でワインを選ぶための武器を次々に獲得していったのです。
上記の「ソーヴィニヨン・ブラン」や「ニュージーランド」もそうなのですが、ワインの代表的な品種や産地の特徴をおおまかに抑えていると、どんどんワイン選びが楽しくなりますよ!
代表的な品種 :白ワイン品種
- シャルドネ: 世界で最も広く愛されている白ワイン用のブドウ品種。基本的にフルーティーで優しい風味を持ち、親しみやすい味わいです。造る過程で木樽を使うと、バニラの香りが加わったり味わいに厚みが出るので、様々な側面の魅力を楽しめます。
- ソーヴィニヨン・ブラン: ハーブのような青々とした香りが最大の特徴。グレープフルーツや白桃を思わせる風味もあり、爽やかで軽やかな味わいのワインに仕立てられます。
- リースリング: 辛口からとっても甘い極甘口のワインまで造られている、伝統的ながらも少しユニークな品種。レモンをぎゅっと絞ったようにストレートな酸味と香りを持ちます。特に辛口タイプでこの風味が際立つので、夏場にキリっと冷やしていただくととてもリフレッシュできますよ。
代表的な品種:赤ワイン品種
- カベルネ・ソーヴィニヨン: 赤ワインの王様と呼ばれる品種。その呼び名のとおり、力強い味わいと、濃密でエレガントな香りを備えた風格のある印象です。名だたる偉大なワインにもよく用いられています。
- メルロー: こちらはカベルネ・ソーヴィニヨンにブレンドされることも多いですが、単体でも人気の高い品種です。コク深い味わいで、カベルネ・ソーヴィニヨンに似た印象もありますが、よりまろやかな口当たりが魅力です。
- ピノ・ノワール: こちらは赤ワインの女王と呼び声の高い品種。その特徴は、非常に上品で繊細。気品高い香りとしなやかな口当たりが優雅な印象で、かつ育てるのが大変な気難しい性格です。こちらの品種も、偉大なワインが多く生み出されています。
代表的な産地 :ヨーロッパ周辺
- フランス: 言わずと知れたワイン大国。先ほど挙げた代表的な品種は、全てフランスでも多く栽培され、高い品質を誇ることで根強い人気があります。繊細な味わいから力強いタイプまで様々なワインが造られていますが、フランス産のワインは全体的に、どこか気品に溢れる上品な印象です。
- イタリア: ワイン生産量世界第1位を誇るイタリア。とても覚えきれないほど、メジャーからマニアックなものまで、多種多様な品種でワインが造られています。その味わいや香りは千差万別ですが、流石は美食の地、いずれも食事に合わせやすいのが特徴です。
- スペイン: ヨーロッパの中でも、特にコストパフォーマンスに優れたワインが多い産地。日常の食卓やバルで、ラフにワインを楽しむ文化があることが関係しているかもしれませんね。どのタイプのワインも、比較的酸味が穏やかでフルーティーです。
代表的な産地:その他の国や地域(ニューワールド)
- カリフォルニア(アメリカ): まだヨーロッパ以外のワインが注目されていなかった頃、情報を伏せてワインを試飲しランク付けをする大会で、見事フランス産ワインを抜いて1位に輝いたことで一躍有名になりました。とてもフルーティーで味わい豊か、親しみやすいワインが多くあります。
- ニュージーランド: 品質の高い白ワインが多く造られており、その中でもソーヴィニヨン・ブランは代名詞として愛されています。とてもフルーティーで透明感のある味わいのワインが多い印象です。
ワイン初心者でも楽しめることが多いワイン4選!
それでは、ここまでご紹介したポイントを踏まえて、まず試していただきたいワインの品種と産地の組み合わせを4つに厳選してみました。
どれも一度飲んでとりこになり、リピートする方が多いワインです。
①ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン
私の体験談でも少しお話しさせていただいたのですが、ワイン初心者の方にこそ飲んでみていただきたい、イチオシのワインです。
ニュージーランドで造られるソーヴィニヨン・ブランは、爽やかですっきりとしたこの品種の一般的な特徴に加えて、白桃の香りがふわりと漂い、素直に「美味しい!」と思えるような風味なのです。
②カリフォルニアのシャルドネ
シャルドネは元々優しい風味を持つ品種なので、どの産地で造られたものも比較的飲みやすいのですが、ワインに馴染みのない方には、特にカリフォルニア産がおすすめです。太陽をたっぷりと浴びて育まれたシャルドネから仕立てられるワインは、辛口でもほのかに甘く感じられるほど、果実味がたっぷり。
熟した柑橘類やトロピカルフルーツのような香りが控えめな酸味と相まって、とても親しみやすい味わいです。
③フランスのピノ・ノワール
赤ワインの中でも、あまり渋みが強くないピノ・ノワール。
カリフォルニアやニュージーランドなど様々な国で造られていますが、やはりこちらの品種は、生まれ故郷でもあるフランス産がおすすめです。
花々やベリーの華やかで気品に溢れる香りは、初心者から上級者まで幅広い飲み手を魅了してやみません。ブルゴーニュ地方のものだと高価なワインが多くありますが、フランス南部のラングドッグ・ルーション地方のものは、手ごろな価格で果実味たっぷりのピノ・ノワールを楽しめますよ。
④スペインのグルナッシュ
スペインでは「ガルナッチャ」とも呼ばれるこちらの品種。ピノ・ノワール同様に渋みは控えめ、かつグルナッシュの方が比較的酸味が穏やかで、より親しみやすい印象です。
イチゴやチェリーのような、チャーミングな果実の香りが口いっぱいに広がり、「渋くて飲みにくそう」という赤ワインのイメージが大きく変わりますよ。
また、食事に合わせやすい点もおすすめのポイントです。
まとめ
さて、様々な観点からワインの選び方のコツや、まず試していただきたいイチオシのワインをご紹介して参りましたが、気になるポイントはありましたか?
ワインを飲みたいけれど、何を選べば良いかわからない。そんな時はこちらの記事を参考に、あなたにぴったりのワインを見つけてみてください