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【初心者用】ロゼワインと料理のペアリングのコツ!品種ごとのおすすめ例は?

ロゼワインとペアリング

【いまいちパッとこない方に】ロゼって結局なに?

長らくロゼワインは「気軽に飲むだけのワイン」とワイン愛好家からは軽く見られがちなワインでした。

ヨーロッパの国々ではワインの製法が法律で細かくルール化されていますが、ロゼワインについては技術的に定義がされていないことも、その要因ではないかと思います。

そのロゼワインが、いま世界中から注目されているのをご存じでしょうか。

ワインの需要が右肩下がりの中、ロゼワインの消費量はここ数年前から右肩上がり。ワイン大国のアメリカやイギリス、フランスではロゼワインが一大ブームになっているのです。そして日本でも若年層を中心にロゼワインを好む人が増えています。

さて理由はなぜでしょうか。

今回は注目が集まるロゼワインの魅力について、ペアリングを軸にじっくり紐解いていきたいと思います。

ロゼワインと料理のペアリングのコツ:温度変化を楽しむ

ロゼワインとペアリング

ロゼワインの最大の長所は、様々な料理やシーンに合わせやすいという点です。

ロゼワインは赤ワインでもあり、白ワインでもあります。双方の特徴を併せ持っているので、極端にいうと、フランス料理のコースをロゼワイン1本で楽しむことも可能なのです。

ワインは温度に応じて、香りや味わいが変化するとても繊細なお酒です。例えば赤ワインを冷やし過ぎると、渋みが際立ってしまいます。

その理由はワインに含まれるタンニンという成分によるもの。ロゼワインは赤ワインと白ワイン両方の良い面を持ち合わせているので、渋みは少なく、フルーティで酸味も楽しめるワインです。そのため温度が下がると味がキリッと引き締まり、フレッシュですっきりとした風味を味わえます。逆に温度が少し上がってくると、まろやかになり冷やしていた時とはまた異なる豊かな香りや味わいが感じられるのです。

この提供温度を上手く利用したロゼワインのペアリングのコツをご紹介したいと思います。

最初はロゼワインをよく冷やして前菜とともに楽しんで。そのままテーブルの上に置いて、常温で保管しましょう。

おしゃべりも弾み、中盤の魚料理のころはまだ少し冷えた状態が続いているでしょう。ぜひフレッシュ感あふれるロゼワインとして魚料理とペアリングを楽しみましょう。

後半の肉料理のころは少しずつ常温に近い状態になり、心地よい渋みや果実味が楽しめるロゼワインとして旨味があふれる肉料理とも相性バッチリのペアリングに。

温度の変化によってロゼワインはどんどん表情を変え、実用的な楽しみ方もできるのがロゼワインの優秀なところなのです。赤ワインや白ワインとはまた違ったアイデアや楽しみ方が広がります。

色で見る!ロゼワインと料理のペアリング例

ロゼワインとペアリング

もう1つのペアリングのコツは、ロゼワインの色に注目すること。

ロゼワインは醸造方法や使用するブドウ品種によって、色に違いが生まれます。例えば、アメリカを代表する黒ブドウ品種のジンファンデルから造られる「ホワイトジンファンデル」というロゼワイン。

直接圧搾法で造られ、ごく淡いピンク色をしています。直接圧縮法は白ワインの醸造方法に似たロゼワインの製法です。黒ブドウを白ワインと同じように茎などを取り除いてから破砕して、プレス機で絞るとうっすらピンク色に色づいた果汁になります。

一方でフランスのコート・デュ・ローヌ地方南部の「タヴェル・ロゼ」。ブドウ品種はグルナッシュ、サンソー、シラーなどのブレンド、セニエ法というロゼワインの最もポピュラーな製法が用いられています。

発酵タンクの中に黒ブドウを入れて、数時間から2日程度マセラシオンという醸し作業を行い、色づいた果汁をタンクから引き抜きます。この製法で作ったロゼワインは、果汁と果皮を漬け込む時間が長いので、色も比較的濃くなり、飲みごたえのある辛口のワインに仕上がるのです。

このように同じロゼワインでも、色の濃淡によるバリエーションがあり、ペアリングのコツも変わってきます。次からはこのロゼワインの色に注目して、ペアリングをご紹介していきましょう。

淡い色のロゼとペアリング

淡い色のロゼの一例として、先ほど触れた「ホワイトジンファンデル」のペアリングを考えていきます。カリフォルニアの冷涼な地域で育ったジンファンデルは、赤い果実の香りや程よい酸味が特徴のブドウ品種。

味わいは中甘口で、フルーティな微発砲性のロゼワインです。ワイン初心者にもとても飲みやすいワイン。キリッと冷やして、サラダやカルパッチョ、鶏肉のソテー、エビチリなどと一緒に。

白ワインに近い特徴を持つので、白ワインと好相性な料理と合わせるのがコツです。

もう一つ例を挙げると、「ロゼシャンパーニュ」。主にシャルドネを使って造った白ワイン、主にピノ・ノワールやピノ・ムニエを使って造った赤ワインを混ぜて作ります。瓶内二次発酵前にベースの白ワインに赤ワインを少量加えてロゼにし、長期間熟成に。とても高価で華やかなワインです。

ロゼのシャンパーニュは、どんな料理にも比較的万能。素材の味を生かした料理からこってりした料理まで、どんな料理にも合わせやすいワインなのです。お寿司やお刺身、焼き餃子、肉料理、フルーツなどバラエティに富んだ料理のお供に。  

鮮やかな色のロゼとペアリング

鮮やかな色のロゼの一例として、先ほど触れた「タヴェル・ロゼ」のペアリングを考えていきます。

フランスで初めてAOCに認定された「タヴェル・ロゼ」は、「ロゼの王様」と言われています。ブドウ品種はグルナッシュ、サンソー、シラーなどをブレンドして作られます。比較的色が濃く、繊細な中にも力強さがあり飲みごたえのある辛口のロゼワインです。

レバーパテやポークソテーなどの脂の旨味があふれる肉料理、麻婆豆腐などのスパイシーな中華料理、エスニック料理まで個性的な料理と相性が良いでしょう。

もう一つ例を挙げると、フランスのプロヴァンス地方のすっきり辛口のロゼワイン。腰のくびれた独自の瓶の形も特徴です。

ブドウ品種はグルナッシュ、サンソー、カリニャン、ムールヴェードルなど「タヴェル」と似ていますが、比較的軽いタイプに仕上がるのが特徴です。

プロヴァンス地方の郷土料理、ブイヤーベースのような魚介料理はもちろん、海老や貝が入ったアクアパッツア、生春巻き、スパイシーな料理などタイ料理との相性も良いでしょう。

ロゼワインと料理のペアリングでの注意点

ロゼワインは赤ワインと白ワインどちらの特徴も備えているので、比較的どんな料理にも合わせやすいワインです。

ただいくつか基本的な注意点があり、今回は代表的な3つをご紹介します。

注意点①味わいタイプを確認する

1つ目は辛口や甘口といった味わいのタイプを確認しましょう。

辛口には肉料理や魚料理などのメインディッシュに合わせるがおすすめです。中華料理やエスニック料理などの香辛料系も相性グッド。

甘口は甘味や旨みのある料理と相性が良く、例えば甘辛く煮つけた肉じゃが、うなぎのかば焼き、焼き鳥などがお勧めです。そのほかにもデザートやフルーツ系、チーズ系と高相性。 

注意点②提供温度

2つ目は提供温度。よく冷やしたロゼワインと常温のロゼワインだと、香りや味わいが大きく変化します。

注意点③色合い

3つ目はワインの色に注目。ロゼワインの色味と料理の味付けを合わせるとペアリングが決まりやすいです。

ワインの色はブドウ品種と製造方法が大きく影響します。一般的に渋みの強いブドウ品種から造られたロゼワインは色が濃い傾向。色の濃いタイプには、肉料理やすき焼きなど味付けが濃い料理との相性が良いでしょう。

色の淡いタイプには、刺身やお寿司などの和食や淡泊な料理がおすすめです。

ロゼワインとおつまみのペアリングはどうする?

ロゼワインとおつまみのペアリングを考えてみましょう。

コツはロゼワインの甘辛の味わいと、料理にかけるソースやスパイスを掛け合わせること。

ほんのり甘めのタイプには、フルーツの甘みや旨みが効いたソースをかけたタコ焼きはいかがでしょう。たこ焼きソースの甘みや旨みが、甘みのあるロゼワインと相乗効果を生む組み合わせに。お好み焼きや焼きそばとも相性抜群です。酸味と甘みのバランスの良いピクルスとのペアリングも良いでしょう。

一方、しっかりした辛口タイプには、ラー油をピリッと効かせたつけダレと一緒に焼き餃子はいかがでしょう。口中に広がる餃子の肉汁を辛口タイプのロゼワインがすっきり洗い流してくれ、さらに食欲を増していきそう。パワフルな塩味と脂身が美味しいサラミとも良い組み合わせです。

まとめ

今回は「【初心者用】ロゼワインと料理のペアリングのコツ!品種ごとのおすすめ例は?」をご紹介してきました。

赤ワインや白ワインの陰に隠れてきたロゼワインですが、今世界中で大注目を浴びています。

その理由は、料理と気軽に合わせやすいという点に加えて、今までのワインの固定観念に縛られない自由な楽しみ方や工夫ができる点ではないでしょうか。

ロゼワインと料理とのペアリングには、味わいのタイプ、提供温度、色にヒントがありそうです。私たちに様々な表情を見せてくれるロゼワイン。

あなたのお気に入りの1本を探してみてはいかがでしょうか。

しおみゆきえ

日本ソムリエ協会認定ソムリエ。大手ワインメーカーに15年勤務していました。小学生の娘と女子会をするのが趣味。