【ワンランク上で通】今試して欲しい定番品種以外のおすすめ白ワイン。
白ワインの定番品種は飽きた!新しいのを試したい!
「最近、白ワインにハマって有名ぶどう品種は一通り飲んでみたけれど最近はワイン選びにマンネリ気味…。」「新しいぶどう品種に挑戦してみたいけれど何を選んだらいいか分からない!」
そんな悩みを抱えているワイン好きさんはいらっしゃいませんか? 今回は、そんな悩めるワイン好きの皆様に少し聞きなれない名称のぶどう品種を使った白ワインをご紹介したいと思います。
皆さまが知っているぶどう品種はいくつあるでしょうか? もう知っている方はもはや『通』かも?早速チェックしてみてくださいね。
定番品種以外のおすすめ品種と有名産地
①ガルガーネガ
主にイタリアの北東部で栽培されているぶどう品種です。 味わいはすっきり爽やかで、柑橘系や林檎のアロマを主体にほんのりミネラル感やスパイシーさが見え隠れ。なんともユニークな個性を持ったぶどう品種です。
特にガルガーネガを使用したイタリア・ヴェネト州の『ソアーヴェ』というワインが有名です。ソアーヴェは『心地良い・気持ちが良い』という意味のイタリア語で名の通り清涼感のあるさらりとした味わいは飲んでいて心地良い気分にさせてくれます。
フレッシュで爽やかな味わいで癖もないので非常に飲みやすくお勧めです。 とくに魚介類との相性抜群がとても良いです。カルパッチョやお刺身、お寿司などと合わせて魚介類とのマリアージュをお楽しみください♪
ワインのエチケット(ラベル)に『ガルガーネガ』と記載して売っているワインは少ないので、飲みたくなった方は『ソアーヴェ』をお探しになるといいかと思います。
②シュナン・ブラン
ボリューム感に富んだぶどう品種で、果実味・酸味がしっかりと際立つ華やかな味わいが魅力的。りんごやはちみつ、キンモクセイやアカシアの様なフローラルな香りが特徴的でうっとりするような上品な香りに虜になってしまう人が続出です…!
北フランスのロワールという長い川の流域のエリアが非常に有名で、ロワールではスパークリングワインから甘口・辛口の白ワインと幅広くいろいろな味わいのシュナン・ブランを使用したワインが造られています。
しかしシュナン・ブランは近年においては南アフリカで成功を収めているぶどう品種で現在は南アフリカでもっともシュナン・ブランが収穫されています。 南アフリカのシュナン・ブランはロワールの上品なスタイルが魅力的なシュナン・ブランとはまた一風変わって、果実味がしっかりとしたジューシーで親しみやすい味わいが魅力的です。
シュナン・ブランといっても味わい幅がかなり広く産地により味わいが大きく異なるぶどう品種なのでハマってしまうと、つい見つける度にトライしてしまいたくなるような魅惑のワインです。 個人的には是非、ロワールと南アフリカの2つのシュナン・ブランを飲み比べて楽しんでいただきたいです。
味わいの違いにあっと驚かされること間違いありません!
③ピノ・グリ
ピノ・グリって聞いたことがあるでしょうか?「ピノ・グリ」はある日、ピノ・ノワールが突然変異して生まれたぶどう品種。 灰色がかったピンク色を「グリ」と言い、名前のとおりに薄赤色の果皮が特徴的な葡萄です。
原産地はフランス・ブルゴーニュなのですが現在はフランス・アルザスやドイツ、イタリア、アメリカなど様々な地域で栽培される人気のぶどう品種です。 イタリアでは「ピノ・グリ―ジョ」、ドイツでは「グラウブルグンダー」と難しい別名で呼ばれているのでドイツのピノ・グリはちょっと見かけても気が付きにくいのが難点ですね。
味わいは酸味が穏やかですが味わいはしっかりとしていて飲みごたえがあります。蜜りんごや洋ナシの様な豊かな果実味が特徴的で濃い味わいながらもフルーティーで飲みやすいです。
どの産地のピノ・グリも美味しいのですがフランス・アルザス地方のピノ・グリがお勧めです。 冷涼な産地で造られているので、香りのボリューム感がしっかりしていながらも味わいは少しドライな印象で和食にも合わせやすく日本人の舌にもよく合うワインです。
個人的にはアルザスのピノ・グリを少し甘めに味付けした肉じゃがと合わせて頂くのが大好きです。実は、フランス・アルザスにも肉じゃがに少し似た『ベックオフ』というお料理があるのですがその応用マリアージュです。是非お試しあれ。
④ヴィオニエ
一言でこのぶどう品種を表現するのであれば「可憐なお花」でしょうか。上品なキンモクセイやジャスミンを思わせるフローラルな香りが魅力的で華やかな白ワインに仕上がります。
酸味は穏やかで白桃や洋ナシ、トロピカルフルーツの様なボリューム感のある果実味が特徴的でリッチで濃厚な味わいのワインが多く造られています。
お勧めの産地はフランスのコート・デュ・ローヌ。ヴィオニエの産地としても非常に有名です。 そのなかでもコンドリューという産地が特に人気のエリアで、深みのある濃い果実味やうっとりするような魅惑的な花を思わせる芳香は一度飲んだら忘れることが出来ません。
お食事と合わせるというよりかはワインを主役に軽いおつまみと一緒にゆったりと飲みたいような、そんなワインです。しかし、ちょっと高価なワインなので特別な日に飲みたい、とっておきのワインです。
カジュアルに楽しまれるのであれば、コート・デュ・ローヌのヴィオニエやアメリカのヴィオニエなどが安価ながらもクオリティが高くおすすめです。
私は疲れてしまってラクしたい日に、インドカレーをテイクアウトしてカジュアルな価格帯のヴィオニエとカレーのマリアージュを楽しみます。エキゾチックなジャスミンや白桃のアロマが特徴的で甘やかなアロマがカレーの辛みを和らげてくれるので、本当によく合います。ピリッとしたスパイシーなインドカレーの刺激とアロマティックで華やかな香りのヴィオニエのワインが日常の疲れをふわりとほぐしてくれます。
⑤シルヴァネール
程よい酸味で味わいは軽やか。飲み疲れしないような体にすっと染み入る癒し系代表の白ワイン用ぶどう品種であるシルヴァネール。
柑橘系やハーブの様な清涼感のある爽やかな味わいですが、『ソーヴィニヨン・ブラン』ほど酸やハーブのニュアンスが強くなく柔らかな印象が魅力的。青りんごや洋ナシを頬張ったかのようなジューシーな果実味や白コショウや土っぽいニュアンスも感じられ、軽やかながらも味わいの複雑味はしっかりと楽しんでいただける何度飲んでも飲み飽きないユニークなぶどう品種です。
フランス・アルザス地方で伝統的に造られているぶどう品種ですが、他にもアルザスやドイツ・オーストリアなどの冷涼な産地が有名です。 すっきりとした味わいがお好みであればフランス・アルザス、少しフルーティーで華やかな味わいがお好みであればドイツ・ラインヘッセンのシルヴァネールがおすすめです。
少し難しそうに思うかもしれませんが、ソーセージやハムを野菜と一緒にコンソメゼリーで冷やし固めたテリーヌと非常に相性がいいので是非お試しいただきたいです! 火を通したお野菜とカットしたハムやソーセージをコンソメスープに入れて、ゼラチンを混ぜてパウンドケーキ型などで固めるだけなので意外と簡単なお料理です。見た目が華やかでおもてなしにぴったり!
ホームパーティーで是非、シルヴァネールと合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか?
⑥アリゴテ
「キリっとした爽やかな味わいの白ワインが好き!」というあなたにおすすめしたいのが、このアリゴテというぶどう品種を使用した白ワインです。
酸がしっかりとしていて、柑橘類やミネラルのニュアンスが特徴的。シャブリのシャルドネやリースリングが好きな方に是非飲んでいただきたいワインです。 透明感のあるワインでしっかりとした酸の力強さ、爽快感に虜になってしまう人が多いワインです。
現在でも、脇役的な葡萄品種で収量も多いとは言えませんがアリゴテを使用したクオリティの高いワインが徐々に増えて来ています。アリゴテ100%のワインはまだ見かけることが少ないので見つけたらラッキーなレアなワインです。見かけたら是非試してみてください。
フランス・ブルゴーニュのアリゴテが最も見つけやすく有名です。 さっぱりとした柑橘系の味わいなので、レモンを絞って頂くような唐揚げ・天ぷら系の和食と相性抜群です。 揚げ物料理もしっかりとした酸が口の中をさっぱりとさせてくれるので何個でも揚げ物が食べれちゃう…!食べすぎ注意の危険なマリアージュです。
⑦アルバリーニョ
スペインやポルトガルの海沿岸地域でよく収穫されるぶどう品種で、グレープフルーツの様なほろ苦系の柑橘類や塩味、ほんのりヨード(海藻)を思わせるニュアンスがなんともユニークなぶどう品種です!
おすすめの産地はポルトガルの「緑のワイン」として有名なヴィーニョ・ヴェルデのアルバリーニョ。微発泡タイプのぷちぷちと弾ける控えめな泡とフレッシュで爽やかな味わいが魅力的な白ワインです。
アルコール度数の通常のワインに比べると控えめで、価格も安価なものが多いのが嬉しいポイントです。 海を連想とさせるニュアンスが沢山盛り込まれたこちらのワインは、やはり魚介類との相性が抜群でパエリヤやアクアパッツァ、魚介フリットなどのシーフード料理とよく合います。
定番品種でも産地を変えると味わいが全然違うことも!
上記ではたくさんのちょっと珍しいぶどう品種の個性やおすすめ産地をご紹介しましたがお楽しみいただけましたでしょうか?
やはりぶどう品種を変えると大きく味わいの違いが出て飲み比べるのが楽しいですが、実は同じぶどう品種でも気候風土の条件などが変わると味わいが大きく変わるものです。 ワイン好きでこの記事を見ている方はもうご存知のワードかもしれませんが、ワイン業界ではこの気候風土の条件のことを『テロワール』といいます。
一般的には涼しい産地は酸が強くすっきりした味わい、温暖な産地だと酸が穏やかで果実味の濃いしっかりとした味わいになります。 今回紹介したような珍しいぶどう品種を試してみるのも楽しいですが、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランなどの定番品種も『テロワール』よって味わいが大きく異なってくるので普段飲んでいる国と真逆の位置の国のワインを試してみるのも面白いですよ♪
普段フランスやヨーロッパのワインを飲む方は、アメリカ、チリ、アルゼンチンなどの新世界と呼ばれる国のワインを。新世界のワインを飲む方はヨーロッパのワインを試してみると定番品種でもマンネリせずにワインを楽しめるかと思います。
ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン、ドイツやオーストリアのワインはもう飲みましたか? 新しいぶどう品種にトライするのも勿論面白くて大変おすすめですが、味わいはぶどう品種だけで決まるわけではないので是非、普段飲まない国のワインも積極的に飲んでみてくださいね!
ギフトや手土産に持っていくと珍しがられる品種
せっかくワインを大切な友人や恋人に差し上げるのであればちょっと『記憶』に残るような珍しいワインをプレゼントして喜んでもらいたいですよね。
ここでは、貰うと思い出に残るようなちょっと珍しいワインをご紹介いたします。 勿論、上記で『定番品種以外のおすすめ品種と有名産地』として紹介したぶどう品種もおすすめです!
①ゲヴェルツトラミネール
ながーく難しい名前のこちらのぶどう品種。差し上げる際にすらすらっと「ゲヴェルツトラミネール」という名前を教えてあげるだけでも驚かれそうですね。
しかしながら、珍しいのは名前だけでなく味わいも特徴的なのです。 ライチや白薔薇の様な華やかな香りはゲヴェルツトラミネールのもつ唯一無二の個性がある為一度飲んだら忘れられないワインになる事間違いありません。
実際に私がワインショップで働いていた時にお客様から、ゲヴェルツトラミネールのワインが映った写真を見せながら「以前頂いたこのワインが美味しくてもう一度飲みたい。同じぶどう品種のワインを選んでほしい!」とよく言われたものです…。
ギフトに持っていくと必ず相手の印象に残るような魅力を持ったワインです。
②南アフリカの『シュナン・ブラン』
先ほど『定番品種以外のおすすめ品種と有名産地』で紹介させていただいたシュナン・ブランもカジュアルなギフトや手土産にぴったりの1本です。
なかでも南アフリカのシュナン・ブランがおすすめです。
ロワールに比べ温暖な産地なので果実味がしっかりとした親しみやすい味わいの白ワインが多い傾向に。アプリコットやパイナップルの様なジューシーでいきいきとした果実味が楽しめ非常に飲みやすいのでワイン飲みなれてない方にもおすすめ!
お食事にも合わせやすいフードライクなワインで、好みを選ばない親しみやすい味わいはギフトにも喜ばれること間違いありません。
シュナン・ブランや南アフリカのワインは日本ではまだそこまで知名度も高くないので『通』なワインだと喜ばれるかと思います。
まとめ
今回は、まだ日本でメジャーとは言えないような少し通向けのコアなぶどう品種をたくさん紹介させていただきました!
一度に覚えたり、試したりするのは難しいかと思いますが是非この記事を何度も睨めっこしながら気になるぶどう品種から順に試してくださるとうれしいです。
きっと、普段とは違った味わいのワインをたくさん見つけることが出来るかと思います。 2023年もまだ始まったばかり。今年はいろんなぶどう品種を試してみて視野を広げる『ワイン旅』を楽しんでみてはいかがでしょうか?