【ワンランク上で通】定番品種以外のおすすめ赤ワイン。
赤ワインの定番品種は飽きた!新しいのを試したい!
「最近、赤ワインにハマって有名ぶどう品種は一通り飲んでみたしそろそろ、珍しい品種のワインを飲んでみたい!」「いつもと違うワインを試したいけどぶどう品種を見ただけじゃ味わいのイメージが想像できなくて何を選んでいいか分からない!」そんな悩みをお持ちのワイン好きの皆さま!
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ピノ・ノワール…定番品種が美味しいのは勿論ですが、知らない名前のぶどう品種を「難しい・失敗したくない」からと試してみないのは勿体ないですよね?
今回は、そんな悩めるワイン好きの皆様にちょっぴりマイナーなぶどう品種を使った赤ワインをご紹介したいと思います。ぶどう品種の個性を理解すれば大きく失敗することは少ないので、この記事を読んでいただきガンガン新しいぶどう品種を使用したワインにトライしてみましょう!
定番品種以外のおすすめ品種と有名産地
①カベルネ・フラン
フランス原産のぶどう品種であるカベルネ・フラン。 カシスやブルーベリーのような紫系果実、スミレのお花、アスパラガスやシダ植物を思わせるグリーンのニュアンスが綺麗に調和した、エレガントな香りと味わいが魅力的なぶどう品種です。
味わいはカベルネ・ソーヴィニヨンと似たような傾向にありますが、カベルネ・フランの方が渋みは穏やかでややライトで非常に飲みやすいです。 ちょっぴり影が薄い存在であるカベルネ・フラン、実はカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロの親となったぶどう品種なんですよ!
赤ワインの銘醸地・ボルドーでも少量栽培されており、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロとブレンドされて使用されている影の功労者的存在です。 「カベルネ・フランは飲んだことないなぁ。」という方もボルドーの赤ワインを飲まれたことがあるならば知らないうちに実はもう口にしていたかもしれませんね!
このように、ブランドの役割で使用されることの多いぶどう品種なのですが、ちゃんとカベルネ・フラン100%のワインが存在します。 カベルネ・フランが主役として楽しめるおすすめの産地は、ずばりフランスの北側、長い川の流域の産地であるロワール地方です。ここでは、サブ的なぶどう品種であるカベルネ・フランがスターになれる数少ない産地。
冷涼な気候で育ったカベルネ・フランは酸が綺麗で上品な味わいに仕上がり、繊細な和食やお野菜料理と相性抜群です。 余談ですが、私は無類のカベルネ・フラン好きでカベルネ・フラン100%のワインを見つけると購入せずにいらせません!特にレンコンやゴボウなどの根菜系のお野菜と相性がいいですよ。 私はフランスの有名な郷土料理「キッシュ」の具材をきんぴらごぼうに変えて和風キッシュとカベルネ・フランを合わせるのがお気に入り。
もちろん定番の「キッシュロレーヌ」とも相性抜群です! エレガント系の赤ワインが好きな方は是非カベルネ・フランを探して飲んでみてくださいね。
②バルベーラ
イタリアの地ぶどうであるバルベーラ。 現地ではメジャーなぶどう品種ですが日本ではまだそこまで知名度が高いぶどう品種ではありません。渋みが穏やかで飲みやすく比較的手に入りやすいので次にお試しするワインとしてはハードルが低めで大変おすすめのぶどう品種です。 酸はしっかりとしており、ジューシーな果実味が魅力的!イタリアらしい陽気で親しみやすい味わいが魅力的な赤ワインに仕上がります。
主な産地は北イタリア・ピエモンテ州で低価格ながらも品質の高いバルベーラが日本でもたくさん販売されています。 トマトソースを使ったパスタやピッツァ、お肉料理などイタリア料理と相性抜群! イタリア料理のお店では必ずと言っていいほど取り扱いのあるワインなのでイタリアンを食べに行った際は是非注文してみてください。
本格的なイタリアンをお楽しみいただける素晴らしいマリアージュになると思いますよ。
③ドルチェット
このドルチェットもイタリアの地ぶどうです。イタリアは様々なぶどう品種を巧みに使用してイタリア独自のワイン文化を生み出してきました。ドルチェットもイタリアワイン以外でなかなか見かけない為、日本ではあまりメジャーではありませんがイタリアの定番のぶどう品種のひとつです。
イタリア語で「ドルチェ=デザート」の意味があり、日本でドルチェットというぶどう品種はあまりメジャーではない為、ワインラベルに「ドルチェット」と品種記載があると甘口ワインだと誤解されがちですがむしろ甘口のドルチェットは珍しく、辛口ワインとして主流であるぶどう品種です。
味わいは、チェリーやいちご、プラムの様なフレッシュで華やかな果実味が特徴で、甘酸っぱい果実が口いっぱいに広がります。 ライトでフルーティーな味わいなので非常に飲みやすく、赤ワインのメジャー品種の中でもピノ・ノワールやガメイがお好みの方は絶対にハマってしまうぶどう品種ですよ。
ドルチェットもバルベーラと同じくイタリア・ピエモンテが主要産地で、リーズナブルな価格帯で手に入るので是非あわせて試してみて! 軽やかだけれど果実の旨みがたっぷり詰まったドルチェット、どんなお食事とも合わせやすいフードライクなワインです。 太陽のように明るくはつらつとした『陽』のワインというイメージなので、個人的には休日の昼下がりのお庭でサンドイッチなどの軽食をつまみながら女友達と楽しむ気さくなランチ会によく登場する女子ウケも抜群の赤ワインです♪
④テンプラニーリョ
なんだか変わった名前のぶどう品種『テンプラニーリョ』。 スペイン原産のぶどう品種で、スペインワインには欠かせない存在です!そのほかではポルトガルなどでも栽培されています。 不思議な名前のぶどう品種なので「なんだか癖がありそう…。」と思われる方も多いかもしれませんが親しみやすく旨みがしっかりとしたワインに仕上がりとても美味しいですよ!
テンプラニーリョの名前の由来はスペイン語で『早熟な』という意味があり、ほかのぶどう品種より熟すのが早いそうです。 味わいはミディアム~フルボディ。酸は程よく、渋みが穏やかです。熟成のポテンシャルが高く、醸造方法によっても異なりますが早飲み~熟成まで対応できるぶどう品種です。
若いうちはイチゴやチェリーの様な赤系果実のチャーミングな印象がありますが、熟成したものだとイチジクやプルーンのドライフルーツの様な濃厚な印象に、たばこやスパイスを纏った上品で大人っぽいニュアンスへと変化していきます。
おすすめ産地はスペイン・リオハのテンプラニーリョ。是非クラシックなスタイルのテンプラニーリョを飲んでみて頂きたいです!スペイン伝統の古い樽で熟成させた落ち着きのある柔らかな味わいが魅力的で、滋味深い大地の旨みが口の中からじわじわ広がり長い余韻を楽しむことが出来ます。
お食事と合わせるというよりはおつまみを用意してゆったりワインタイムを楽しみたい方におすすめです。おつまみは王道ですがスペイン産の生ハム『ハモンセラーノ』をバケットにのっけてオリーブオイルをかけたシンプルなカナッペがおすすめです!もちろん、普通の生ハムでも美味しいのですがこだわり派の方は是非スペイン産の生ハムを選択することをお勧めします♪
⑤キャンベル・アーリー
元々はアメリカ系のぶどう品種でしたが、日本ワインを発展させた第一人者である川上善兵衛が1897年にアメリカから日本にもたらしたぶどう品種で、現在では日本中で多く栽培され沢山のキャンベル・アーリーを使用した赤ワインが造られています。
キャンベル・アーリーで造られるワインはいちごやサクランボの様な赤い果実の印象が特徴的でお祭り屋台でいただく『いちご飴』の様なあまやかでチャーミングなアロマがグラスいっぱいに広がるアロマティックな赤ワインに仕上がります。 ボジョレーヌーボーを中心としたワインの新酒がお好きな方におすすめのワインです。 北海道から九州地方まで全国様々な土地で造られているキャンベル・アーリーですがお食事に合わせやすく普段飲みにおすすめの産地はずばり北海道‼日本のキャンベル・アーリーの5割は北海道で造られてるキャンベル・アーリーの銘醸地でもあります。
北海道はご存知の通り冷涼な気候なので、キャンベル・アーリーの甘やかなニュアンスを残しつつほかの産地のキャンベル・アーリーに比べ、すっきりと頂くことが出来るのでお食事との相性が非常にいいですよ。北海道は魚介類が非常に有名ですが、少し冷やした北海道産のキャンベル・アーリーにマグロやカツオなどの赤身魚のお刺身を合わせると非常に美味しいです!魚に赤ワイン⁉と思われるかもしれませんが自信満々のペアリングなので、機会があれば騙されたと思って是非試してみてください♪
⑥サンソ―
乾燥に強く温暖な気候を好むぶどう品種であるサンソ―。南フランスやイタリアのコルシカ島、チリ、南アフリカなどで栽培されているぶどう品種です。 南フランスでは主にブレンド用のぶどう品種として重宝されていますが、チリや南アフリカなどではサンソ―をメインに使用したワインもよく見かけますのでまず、サンソ―の味わいをしっかりと感じてみたい方はチリや南アフリカのサンソ―を試してみてくださいね。
なかでもおすすめの産地は南アフリカでしょうか。 ヨーロッパでは補助的ぶどう品種であるサンソ―ですが、南アフリカの気候と相性抜群で以前は南アフリカで栽培面積NO.1のぶどう品種でした。今では他のぶどう品種への植え替えも多く収穫量は減少気味ではありますが、古くから育てられている古樹のサンソ―がまだまだ残っておりサンソ―主体の高品質なワインが造られています!
味わいはザクロやラズベリーの様な赤系のフレッシュな果実味としっかりと酸が感じられるすっきりとしたライトな印象のワインです。フレッシュな果実味が魅力的なぶどう品種なので赤ワインはもちろんロゼワインも美味しいです。特に、ピノ・ノワール系の軽やかエレガントなワインがお好きな方に是非試して頂きたいワインです。
おすすめのペアリングは、トマトソースをかけた鶏ささみのピカタ! 比較的ライトな味わいなので淡白な白身系お肉と相性抜群。 小麦粉に溶き卵を潜らせて焼いたシンプルなお料理『ピカタ』のまろやかな卵の要素やトマトソースがサンソ―のしっかりした酸を包み込みワインがソフトな印象に♪ 少し、オレガノの様なハーブっぽいニュアンスが感じられるのでトマト料理との相性もすごく良いですよ。ぜひお試しあれ!
⑦ピノタージュ
ピノタージュは南アフリカを代表するぶどう品種です。名前から察するとおり、実はピノ・ノワールを人工交配して造られた南アフリカ独自のぶどう品種です。 実は上記でご紹介したサンソ―とピノ・ノワールの交配品種。サンソ―は南アフリカでは『エルミタージュ』と呼ばれており、ふたつのぶどう品種の名前をとりピノタージュという名前になりました。
ピノタージュは南アフリカでピノ・ノワールが育ちにくかった為に、南アフリカに定着させるために生まれたぶどう品種で、1925年にアブラハム・イツァーク・ペルロード氏の手により生まれました。 味わいは、ダークチェリーやプラムなどの熟した黒紫系果実の香りで、ピノ・ノワールに比べると渋みが強くややアタックが強めの印象となります。
スモーキーなニュアンスも魅力的なぶどう品種で、香辛料を使用したお料理と相性抜群です! 特にピノタージュ30~70%の比率にカベルネソーヴィニヨンやシラー、メルロなどをブレンドして作られる「ケープブレンド」と名付けられたワインが有名なので是非試してみてくださいね。
おすすめのペアリングは、ピノタージュとクミン香るタコライス!スパイシーなひき肉のそぼろがピノタージュとよく合いますよ~!レタスやトマトなど冷たいお野菜が乗っかっているので、ワインも少しだけ冷やしめで飲むと◎! ひんやりくらいの冷たすぎない温度がベストです。冬なら30分、夏なら1時間くらい冷やして飲むとよりワインとタコライスの相性がグッと良くなり最高のマリアージュになる事でしょう!
定番品種でも産地を変えると味わいが全然違うことも!
一歩踏み込んで『テロワール』を意識してワインを飲んでみよう。
上記では日本ではまだ馴染みの少ないぶどう品種の個性やおすすめ産地をご紹介しましたが、ぶどう品種を変えずとも普段飲んでいでる産地と異なる産地を選択するだけでもいつも飲んでいる馴染みのぶどう品種が違う顔を見せてくれることは珍しくありません。 ぶどう品種を変えると味わいの違いが非常に分かりやすく、ワインの世界を広がるのでとても楽しくすすめですが、同じぶどう品種でも気候風土の条件などが変わると味わいが全く違ったり…ワインの世界は不思議なものですね。
このように土地の気候風土が農作物に反映すること『テロワール』といいます。この『テロワール』を楽しめるようになればあなたも立派なワイン通! 是非、普段飲んでいるピノ・ノワールやカベルネ・ソーヴィニヨンなどの定番品種も開拓してみてくださいね♪
おすすめは、同じぶどう品種で冷涼な産地と温暖な産地を飲み比べてみること。気候による味わいの違いが分かりやすく『テロワール』を理解しやすいですよ。
ギフトや手土産に持っていくと珍しがられる品種
①ピノ・ネロ
ピノ・ネロは実は『ピノ・ノワール』の事。イタリアでは、ピノ・ノワールを別名(=シノニム)でピノ・ネロと呼んでいます。つまり、味わいは皆さまが想像する通り、エレガントで華やかな印象。
フランスのピノ・ノワールと比べると酸が穏やかで飲みやすいのでワインを飲み始めたばかりの方におすすめのワインです。ピノ・ノワールを覚えたての方に上記の豆知識を添えて、差し上げるとワインの世界をまた一つ知り、楽しんでいただけるのではないでしょうか。 フードフレンドリーなワインでお食事を選ばない親しみやすさが魅力的です。
②ランブルスコ
イタリアで栽培される赤ワインのスパークリングワインを造る為のぶどう品種として有名な『ランブルスコ』。厳密にはランブルスコと言ってもランブルスコ・ディ・ソルバーラ、ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロなど呪文の様な名前のぶどう品種が沢山ありますが覚えきれないので、まずは『ランブルスコ』という名前だけ覚えていってくださいね。
ランブルスコ系のぶどう品種、なんと100種類ほどあるみたいです。 例外でたまーに白やロゼのランブルスコもありますが極まれ、基本的には『ランブルスコ』=赤のスパークリングワインと覚えて頂いてOKです♪ 味わいは甘口~辛口まで様々、甘口・辛口などは個人の好みやその日の気分によって選択してみてください。
見分け方はラベル表記に注目! 辛口はSecco(セッコ)、そしてSemisecco(セミセッコ)→Amabile(アマービレ)→ Dolce(ドルチェ)と記載されており、Dolce(ドルチェ)になるにつれどんどん甘みが増していきます。 この表記は是非、メモしておいてください!お好みの味わいを探す際に役に立つと思いますよ♪
味わいの幅も広く、あまり他では見かけない赤のスパークリングワインはプレゼントにぴったり!価格も千円台で買えるものも多くリーズナブルな価格が魅力的です。 きっと「珍しい!」と喜んでもらえるのではないでしょうか? 焼き肉やBBQ、焼き鳥とよく合います。
まとめ
今回は沢山の日本ではまだまだマイナーなぶどう品種をご紹介いたしました! 気になるぶどうは見つかったでしょうか? 是非、知らないぶどう品種・普段飲まない産地のワインも積極的に飲んでみて自分のワインの世界を広げてみてくださいね!
私も久しぶりに定番品種から外れた各国の固有のぶどうを使ったワインがつい飲みたくなってしまいました…!もし、その国独自のぶどう品種の使用したワインを飲むのであればその国のお料理や似たニュアンスのお料理を合わせると美味しいですよ。私も今夜は、バルベーラとラザニアでワインを楽しもうかな…♪