【今話題】ペットナットワインとは?人気の秘密におすすめ産地までご紹介
ワインは世界各国で作られており、さまざまな銘柄が生まれていますよね。
そんな中、最近「ペットナット」と表記のあるワインを見たことがある方も多いのではないでしょうか。ペットナットは初心者の人でも飲みやすいと近年注目を浴びている今話題のワインです。
ということで、今回はペットナットはどのようなワインなのか、解説をしていきたいと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。
ずばりペットナットワインとは:無添加の微発泡ワイン
今話題のペットナットワインは、無添加の微発泡ワインのことを指します。 気になるペットナットという言葉の意味ですが、実は略語でして、ペティヤン・ナチュレルが正式名称です。
ペティヤンは微発泡のワイン 、ナチュレは自然派のという意味。つまり、自然派の微発泡のワインということになります。
大きいカテゴリで表すとスパークリングワインの一種となります。そのスパークリングワインの製法の中でも保存料や酸化防止剤などを使わずに作られたものをペットナットワインと言います。
ペットナットワインが出回りはじめた最初の頃は、その製法から澱(ワインの成分が結晶化したもので少ないほうがよいとされています。)が多いものもほとんどでしたが、最近では品質も安定していて、繊細な味わいをより楽しめるものになっています。
ペットナットワインの製法
無添加で作られるペットナットワインは、どのようにつくられるのでしょうか。 一般的なスパークリングワインの製法には、シャンパーニュ、フランチャコルタ、カヴァといった製法がありますが、これらはすべて一次発酵をしたワインを瓶に入れ、酵母と糖を加え瓶の中で発酵を促すといった製法になります。
対してペットナットワインの製法は二次発酵を行いません。一次発酵したワインを瓶の中に入れ、瓶の中で完全に閉じ込めてしまうという製法です。
さらに、もう一点一般的な製法とは大きく異なるところがあります。それは、酵母の澱引きやドサージュを行わないのです。
通常、発酵が終わったばかりのワインを放置すると活動を終えた酵母などが沈殿しますが、この沈殿物を取り除く作業を澱引きと言います。 そしてドサージュとは、この澱引きをすることで目減りした分量をリキュールによって足す作業のことです。
こういった作業を行わないことでナチュラルに完成へと導かれますが製法がシンプルで あるがゆえにとても難しいのだとか。瓶詰め後もちょうどいいバランスで発酵させないと瓶が破裂してしまったりガス圧が弱すぎたりしてしまいます。 とても難しく気を配らなければならないのがペットナットワインの製法です。
ここまで、いくつかの専門用語が出てきたので、一度整理すると
- 澱引き=発酵が終わったばかりのワインを静置すると、ブドウ由来の多糖類(ペクチン)、酒石、フェノール類、タンパク質、活動を終えた酵母などがタンクや樽の底に沈殿する。これらの沈殿物を澱(おり)と呼び、その澱を取り除く作業
- ドサージュ=澱引きで目減りした分量をリキュールなどで補う作業のこと。 ドサージュの量によって甘辛度の味わいが決まる。ワインのバランス調整もここで行う
となります。
また、ペットナットワインの製法まとめとしては
- 二次発酵をせず一次発酵したワインを瓶の中にいれて完全に閉じ込める
- 澱引きやドサージュを行わない
となりますね!
ペットナットワインの人気の秘密は?
ここまでペットナットワインの概要や製法について書いてきました。 では、ここ数年知名度をどんどん上げているペットナットワインですが、なぜここまで人気があるのでしょうか。
見た目や味わいの特徴について解説していきますので、その人気の秘密を紐解いていこうと思います。
ペットナットワインの見た目の特徴
その人気の秘密のひとつに見た目に特徴があることがあげられます。ワインボトルに大きな特徴があるのです。
ペットナットワインのボトルは、一般的なワインとは異なり王冠で蓋をしているものが多数です。 王冠で蓋をしているといえば瓶ビールのようなものを頭に浮かべると思いますが、ペットナットワインは一般的なスパークリングワインよりもガス圧が低いために王冠で蓋をすることが可能となっています。
他のワインとは違うユニークなボトルも、人気である理由のひとつだと言えます。
また、先ほど説明した製法のとおり澱引きをしないので沈殿物がそのままであることも特徴です。沈殿物をそのままにすることで同じ場所、同じ温度、同じ生産者でつくられたものでも見た目に違いが出て個性があります。
ペットナットワインの味わいの特徴
一般的なスパークリングワインとは違うところが多々あるペットナットワインですが、味わいにはどういった特徴があるのでしょうか。
①自然な味わい
ペットナットワインは自然派で作られているため、とてもフレッシュで果実感のある味わいであるのが特徴的です。ドサージュを行わないことで、ブドウ本来のほんのりとした甘味とコクが楽しめます。近年地球温暖化の影響もありブドウ自体の甘味も強くなっているのが魅力です。
②幅広く楽しめる
ペットナットワインは発酵を瓶の中で終わらせるので、辛口か甘口か、どれだけ糖度を残すかは生産者の手にかかっています。甘口のものから辛口のものまで、幅広くいろいろなものを楽しめます。
③アルコール度数はやや低め
ペットナットワインのアルコール度数は10%前後のものが多いです。 一般的なワインは13%前後のものが多いので、ワインの中ではやや低め。
軽やかな味を楽しむことができます。アルコールが苦手な人でも飲みやすい点からも人気です。
ペットナットワインで有名な産地はある?
近年生産者も増えているペットナットワイン。有名な産地はどこでしょうか。
ペットナットのはじまりは、フランス。1990年代にフランスのロワール地方で作られ始めました。フランスにはワインの6大産地があります。
- ボルドー
- ブルゴーニュ
- シャンパーニュ
- ロワール
- アルザス
- コート・ドゥ・ローヌ
①ボルドーと②ブルゴーニュについては世界の中でも二大産地でもあります。 ③シャンパーニュはスパークリングワインの最高峰の産地です。 残りの3つの産地については、ワイン好きでないとあまり馴染みのないもの。
この中で自然派ワインの産地といえば、②ブルゴーニュ、④ロワールと言われています。 特に④ロワールでは、法律の規制が緩く、ブドウの品種や土壌が豊かなため新しいジャンルのワイン作りにチャレンジする場所として都合が良かったのだとか。 始まりの地であることから、ペットナットワインの有名な産地はフランスなります。
また、フランスには自然派ワインの種類もたくさんあります。 フランスから始まり、今ではスペインやドイツ、イタリアで多く生産されていますが、近年ではなんと日本でもペットナットワインの生産が進んでいます。 これからも世界各地に広がっていくことが予想されるペットナットワイン。 とても楽しみですね。
まとめ
「よりナチュラルなワインを」という思いで生産されているペットナットワイン。 見た目や味わいなど、他のワインと違うところがあるのも楽しいですよね。 その製法から、ワインによって個性が様々なこともとても魅力的です。
ワインの中では歴史が浅いものになるのでまだまだこれから発展していくところも楽しめるでしょう。気取らずカジュアルに楽しめるワイン。ぜひ一度飲んでみてはいかがでしょうか。