ノンアルワイン徹底まとめ。おすすめ商品から美味しい飲み方まで。
ノンアルコールワインは、お酒を飲めないときやアルコールを控えたいときでもワインの風味を楽しめる飲み物です。 ノンアルワインの市場は拡大を続けており、本物のワインにかなり近い製品も続々と発売されています。
このページではそもそもノンアルコールワインとは何なのかという基本から、おすすめの商品や選び方、美味しい飲み方までをワインの初心者の方でもわかりやすいように説明しています。 ノンアルワインに興味がある方や、種類がたくさんあって迷っている方にぜひ参考にしていただけたら嬉しいです!
そもそもノンアルコールワインとは?
ノンアルコールワインとは、アルコール度数が1%未満のワインです。 妊娠中や授乳中の方、健康上の理由や運転をする場合など飲酒を控えたい方から人気があり、種類も増えています。 ノンアルワインの風味はどんどんアルコール入りの通常ワインに近くなっています。飲んでみると本当にノンアルコールなのかとびっくりするようなものも少なくありません。 アルコールが含まれていないだけで、ワインと同様にぶどうの香りや深い味わいを楽しめるのがノンアルワインです。
ブドウジュースとは何が違うの?
ブドウジュースとノンアルワインはどちらもぶどうを原料にしていますが、 製造方法や味が異なります。 ブドウジュースはぶどうの果汁をそのまま絞ったもので、ノンアルワインはぶどう果汁を発酵させて作るのです。
ノンアルワインはぶどうの香りや深みが楽しめるため、料理との組み合わせてより深い味わいを楽しむこともできます。
また、両者は甘さも異なります。ブドウジュースは砂糖なども加えて子どもが好むほど甘いものが多いですが、ノンアルワインはジュースほどの甘みはありません。
ノンアルワインの製造方法
ノンアルワインの製造方法は、最初からアルコールを生成させない方法と、通常のワインからアルコールだけを抜く方法(脱アルコール製法)の2つがあります。
1つめの最初からアルコールを生成させない方法は、ぶどうの糖分を減らしたりアルコールが生成される前に発酵を止めたりしてノンアルワインを作ります。甘みが抑えられつつも濃厚なぶどうの味わいをしっかり感じられるのが特徴です。 そもそもアルコールが生成しないようにするため、度数は0.00%の商品がほとんどでお酒が飲めない方も安心して楽しめます。
2つめの通常のワインからアルコールを抜く方法は、脱アルコール製法とも呼ばれます。最初はアルコール入りのワインとして作られているため、よりワインの風味に近いのが特徴です。 ワインからアルコールだけを抜く方法としては以下の3つがあります。
- 蒸留法:真空状態で沸点を低くしてアルコールだけを蒸留する
- 逆浸透圧法:特殊な膜を使ってアルコールと水分を除去し、その後水だけを加える
- 揮発性物質回収法:遠心力をつかって香りとアルコールを分離させ、香りだけを戻す
アルコールを生成させない方法と、脱アルコール製法では出来上がるノンアルワインの特徴が少し異なります。
製法による主な違いは以下の通りです。
アルコールを生成させない方法 | 脱アルコール製法 | |
作り方 | 初めからアルコールができないよう調整する | 通常のワインを作った後にアルコール分だけを抜く |
風味 | 濃厚なぶどうジュースのような味わい | ジュースより甘さは少なく、ワインに近い渋みや深みがある |
アルコール度数 | ほとんどの製品で0.00% | 0.99%以下の微量のアルコールを含む製品もある |
ノンアルワインでもアルコールが含まれている商品もある
法律上「ノンアル」とはアルコールが1%以下の製品を意味するため、 0.99%までのアルコールが含まれているノンアルワインもあります。 妊婦さんや授乳中の方、運転をする方は必ずアルコールが0.00%と明記されているものを選びましょう。とくに脱アルコール製法のノンアルワインでは、1%未満の微量のアルコールが残っているものもあるため注意が必要です。
妊娠中や授乳中のお酒については「妊娠しても飲めるお酒が実はある!妊婦に安心なお酒をご紹介。」のページで詳しく紹介しています。よかったらご覧ください。
ノンアルワインにも赤や白ってあるの?
アルコールが入った通常のワインと同様に、ノンアルワインも赤や白、ロゼ、スパークリングと言った種類があります。 簡単にそれぞれの特徴をご紹介します。
ノンアル赤ワイン
赤ワインは黒ぶどうを皮や種ごと発酵させて作られます。複雑で渋みのある味わいで、味の濃い料理や肉料理にピッタリです。 赤ワインのテイストは重め(フルボディ)、軽め(ライトボディ)と表現されることが多いです。もちろん何グラムかの重さを表しているのではなく、飲みやすさを表しています。
重め(フルボディ)のものは香りも味もしっかりしていて重厚、軽め(ライトボディ)のものは色も明るく、さらりと飲めるのが特徴です。
ノンアル白ワイン
白ワインは白ぶどうを絞って、皮や種を除いた果汁だけを発酵させて作られます。すっきりとしていてほどよい酸味があるのが特徴です。さっぱりとしたサラダや、魚や鶏肉など淡白なものとよく合います。 白ワインのテイストは甘口、辛口で表されることが多く、辛口はぶどうの糖分が少なくキレのある味わい、甘口は糖分が多くよりフルーティーな味わいです。
ノンアルワインでも、味わいがラベルや商品説明に記載してある製品もありますのでぜひチェックしてみてくださいね。
ノンアルロゼ
ロゼワインはピンク色で、赤ワインと白ワインの中間と言われるタイプです。赤ワインで使われる黒ぶどうを、白ワインのように皮や種を除いて果汁だけを発酵することで作られます。 赤と白のいいとこ取りをしたフルーティーな味わいが特徴で、中華料理やエスニック料理など幅広い味と合わせることが可能です。「ワインを飲みたいけど、どのワインにするか迷う!」という時におすすめです。
ノンアルスパークリング
スパークリングワインは、シュワシュワとした炭酸が入っているのが最大の特徴です。白ワインが主流で、赤やロゼはあまり多くはありません。 洋食はもちろん中華や和食とも相性が良く、食前にもおすすめな万能タイプです。 とくにノンアルワインの中でも「ワインらしさ」が強い製品が多く、スーパーなどで手軽に買える商品も多いという魅力があります。
ノンアルワインの選び方
最近はノンアルワインにもさまざまな商品があり、選ぶのを迷ってしまいますよね。 あなたにぴったりのノンアルを選ぶために、チェックしてほしいポイントは以下の4つです!
- アルコール度数
- 何の料理と一緒に楽しむか
- ワインらしさを重視するかどうか
- カロリーや糖質
アルコール度数で選ぶ
ノンアルワインにはアルコールが全く含まれていない度数が0.00%のものと、1%未満で微量に含まれているものがあります。 繰り返しになりますが、妊婦さんや授乳中の方、運転をする方は0.00%と明記されているものを選びましょう。 ノンアルワインのなかでも微量のアルコールが含まれているものは、お酒は飲めるけどあまり酔いたくない日に適しています。
料理に合わせて選ぶ
何の料理と一緒にノンアルワインを飲みたいかで選ぶのもおすすめです。 例えば肉料理には赤ワイン、魚料理やサラダなどさっぱりしたものと合わせるなら白ワインが定番です。購入したノンアルワインとさまざまなお料理を合わせてみて、良い組み合わせ(マリアージュ)を探すのも楽しいですよ。
ワインらしさを感じたいかどうかで選ぶ
ワインの香りや深い味わいをどの程度感じたいかで選ぶ方法もあります。 普段からワインを楽しんでいる方は、ノンアルであってもよりワインらしさを求めるのではないでしょうか。
逆に普段はあまりワインを飲まない方は、ジュースに近い飲みやすいものがおすすめです。 脱アルコール製法のノンアルワインはよりワインに近い風味のものが多く、最初からアルコールを生成しないものはジュースに近い風味のものが多いです。ノンアルワインを選ぶときは、作り方もぜひチェックしてみてください。
ノンアルワインをより美味しく飲むには?
アルコール入りのワインと同様に、ノンアルワインもグラスや温度、料理との組み合わせで風味や香りをより楽しめるようになります。 ここではノンアルワインをより美味しく、気分を上げて楽しむための方法をご紹介します。
アルコールを控えなければいけない方もノンアルを試してみたい方も、ぜひ工夫してノンアルワインをより一層楽しんでくださいね。
①グラスもワイングラスを使ってみる
ノンアルワインも、グラスによって風味をグッと変えることができます。ワインはグラスの飲み口の厚さや角度、膨らみ方によって口に入る量やスピード、香りの立ち方などが変わってくる奥深い飲み物です。 ノンアルだから普通のコップでいいか…と妥協するのではなく、ぜひ味や香りを最大限楽しむべくグラスにも気を遣ってみてください。 また、アルコールが飲めないときでもワイングラスを使えば見た目にも華やかになります。ノンアルワインを特別な1杯としてワイングラスで楽しんでみてはいかがでしょうか。
②温度を気にしてみる
ワインは温度によっても香りや酸味が大きく変わる飲み物です。ノンアルワインも同様で、最適な温度で飲むことでより一層ワイン本来の魅力を楽しむことができます。 最適な温度は、赤ワインが18℃前後(冷蔵庫に1〜2時間入れる)、白ワインやロゼ、スパークリングは4〜10℃(冷蔵庫でキンキンに冷やして飲む30分〜1時間前に常温にする、または野菜室で4〜5時間冷やす)くらいといわれています。 素敵なノンアルワインを楽しむために、準備する時間も愛おしくなるものです。ぜひ温度にもこだわってみてくださいね。
③お料理とも合わせてみる
ノンアルワインはお料理との組み合わせ(ペアリング)でももっと美味しく楽しむことができます。 ノンアルワインにも赤や白ってあるの?の章で解説した通り、ワインの種類にはそれぞれ合うタイプの料理がある程度決まっています。
まずは定番の赤ワインと肉料理、白ワインと魚料理を試してみてはいかがでしょうか。 食前酒や、とりあえずノンアルワインが飲みたい!という時はロゼやスパークリングがおすすめです。 パーティーや食事会などでお酒を飲めない場合でも、ノンアルワインならお料理に合わせた風味が楽しめます。
ソムリエがいるようなお店なら、相談してみるのもおすすめです!
お料理との組み合わせ(ペアリング)についてもっと詳しく知りたい方は「これさえ押さえれば大丈夫!ワインとペアリングの基本。」のページでソムリエが詳しく解説しています。よろしければご覧ください。
まとめ
ノンアルワインはぶどうジュースとは異なり、ぶどうを発酵させてワインのような深い風味を感じられる飲み物です。 近年ノンアルワインは「アルコールが飲めないため仕方なく飲むもの」から「自分の状態に合わせて積極的に選択するもの」に変化してきています。
ノンアルワイン市場も拡大を続けており、アルコール入りワインにかなり近い製品も少なくありません。 アルコールを飲めないときや控えたいときでも、ぜひノンアルワインでワインの繊細で素敵な味や香りを楽しんでくださいね!