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これさえ押さえれば大丈夫!ワインとペアリングの基本。

how to pair wine to food

ワイン好きでこのページをご覧いただいている皆様。

ワインのコラムや冊子などを読んでいると「ペアリング」という言葉を目にすることがよくありませんか? 「ペアリング」とは組み合わせのこと。 つまりワイン用語で指す「ペアリング」とは、ワインとお料理を組み合わせることを意味します。

今回はワインを楽しむうえでとても重要である「ペアリング」の基本について説明します。

ペアリングはマリアージュとは何が違うの?

「ペアリング」と合わせてよく出てくる用語に「マリアージュ」というものがあります。

「ペアリング」と「マリアージュ」。

先ほど、「ペアリング」とはお料理とワインを組み合わせることだとお話ししましたね。 つまり「ペアリング」とはワインを楽しむための工程のひとつ。 今日の晩ごはんがハンバーグと決まっている時、このお料理には滑らかな赤ワインが合いそうだな!と考え実践する事が「ペアリング」です。

そして「マリアージュ」とは、その組み合わせたお料理が素晴らしく相性がよく、お互いの良さを引き立てあう素晴らしい相性であったときに表現される言葉なのです。

つまり「マリアージュ」は「ペアリング」した結果をさす表現ということですね。 「マリアージュ」はフランス語で『結婚』という意味。 お料理とワインの相性が良いことを『結婚』と例えるなんてなんとも素敵な表現ですね。

ずばりペアリングのコツはこれ!

せっかくペアリングを考えるのであれば、できればワインとお料理をマリアージュさせてあげたいですよね?

ペアリングを考えるうえでのコツはたくさんあるのですが今回は3点のコツをご紹介します。 今回ご紹介するコツは一つ取り入れるだけでもいいのですが、併用してこのコツを実践することでよりワインとお料理の相性が良くなることが多いので、慣れてきたら複数のコツを取り入れて頂くといいかと思います。

ペアリングのコツ①ワインの色と食材の色で合わせる

赤ワインにはお肉、白ワインにはお魚とよく言いますが、そのイメージを破って食材の色味に合わせてワインを選んでみましょう

例えばマグロのような赤身肉にはお魚だけど少し冷やした赤ワイン。鶏肉のような白身肉にはお肉だけど白ワインを。サーモンやエビのようなピンク系の色味にはロゼワインが本当によく合います。

意外な合わせかもしれませんが非常に相性がいいのです! また、味付けがしっかりしたお料理であればお料理全体の色味に合わせてワインを選ぶのもおすすめです。 例)トマト煮込みは赤ワイン、グラタンは白いから白ワインなど… 難しく考えず色味を合わせるだけなので是非試してみてください。

ペアリングのコツ②お料理とワインの産地を合わせる

こちらも難しく考えずにお料理とワインの産地を合わせるだけなので簡単に実践できるペアリング方法です。

料理とワインの産地が同じであれば、その土地の風土に合ったお料理が楽しまれる傾向にあるのでお料理とワインが合うのはとても自然なことですね。いわば先人たちがすでに考えてくださったマリアージュですので合わない訳がありません!

和食なら日本ワイン、フランス料理のキッシュやブイヤベースならフランスワインといったイメージですね。 そしてこの時に前述したように食材やお料理の色味に合わせるとよりペアリングの成功率がぐっと上がります。

白身魚の天ぷらなら日本の白ワイン、キッシュならば黄色っぽいのでちょっと色味の濃いフランスの白ワインなどがいいでしょう。

ペアリングのコツ③普段お料理に付け足すアクセントやソースをワインに置き換えて合わせてみる

お料理をいただくとき最後に唐揚げにレモンを絞ったり、ブルーチーズにハチミツをかけて食べることはありませんか?

その最後の仕上げの味付けをワインに置き換えてあげるとワインとお料理の相性はぐんっとよくなります。 例えば唐揚げにはレモンを絞るイメージでキリっと爽やかな柑橘のような香りのする白ワイン、ブルーチーズにはあえて蜂蜜のようなトロっとした甘みのデザートワインを合わせてみるととても美味しいですよ。

レストランでワインをペアリングする時はここを意識すればOK

レストランでワインをペアリングするときは、お店のソムリエさんに任せてしまうのが一番良いでしょう。

ソムリエの方はワインの知識はもちろんですが、お店の料理の味わいをしっかりと把握しているのでこのお料理にはこのワインがおすすめだという引き出しをたくさん持っています。

お好みやお苦手、予算だけお伝えしお任せしておけばお料理に合ったワインを提案してくれます。 そして、その時に「なぜこのワインを選んだのか?」と質問すると多くのソムリエさんは嬉しそうにワインを選んだ理由をお話ししてくださいますので今後、自分でお料理とワインを合わせるうえで参考になりますよ。

レストランではソムリエさんとのコミュニケーションをお食事と共に楽しむのがおすすめです。 ワインを日常よりもさらに深く楽しむことが出来る素晴らしい機会になりこと間違いありません。

自宅でワインをペアリングする時はここを意識すればOK

自宅でワインを楽しむ場合は、シーンやメインの食材と合わせてワインの価格帯と味わいを選んでいきたいですね。 いくつかのシーンを例にご案内していきます。

特別な日におすすめペアリング例

日々の生活の中でお祝い事など特別な日にワインを楽しむことも多いでしょう。 お誕生日、結婚記念日、昇進お祝いなど… こういった特別な日にはちょっといいワインを開けて、非日常を楽しみたいですね。

そんな時にオススメなのが、シャンパンをはじめとするスパークリングワインです。 特別な日はいろんなお料理を並べて贅沢に楽しまれる方も多い中で、スパークリングワインは幅広いお料理と合わせやすいフードライクなワインです。前菜からメインまで一本を通してお楽しみいただけることでしょう。

特にシャンパンは西洋や日本でも、お祝いや勝利の喜びを分かち合うための飲み物として長く愛されてきました。 価格も少し高価でリッチな味わいなので、特別な日の食卓に華を添える1本として素敵な選択だと思います。

シュワシュワとグラスの底から立ち上る泡は上昇を意味するようでなんだか縁起もよさそうです。

ホームパーティーにおすすめペアリング例

ホームパーティなどの気取らないカジュアルなお食事なら肩ひじ張らずに楽しめる親しみやすい味わいのワインがおすすめです。複数人で楽しむものなので極端に重かったり軽すぎたりせず万人受けするようなものだと皆さんで楽しみやすそうですね。

お肉メインでのパーティであれば、渋みが穏やかで果実味がしっかりとした南フランスやイタリアの赤ワインがおすすめ。 和食や魚介などの繊細なお食事であれば、爽やかな味わいが魅力的なリースリングや日本ワインなんかもいいですね。

ホームパーティーの手土産などでワインを持ち込む場合は可能であれば事前にお料理の傾向をリサーチしておくと失敗がなさそうです。

毎日の食卓におすすめペアリング例

毎日の食卓に合わせるのであれば手間をかけずに簡単に作れるお料理とワインを合わせて楽しみたいですね。

ワインに合う家庭料理でしたらご自身で味付けするので、お料理の味わいがコントロールしやすいのでお料理や調味料の要素によってワインを合わせてみるといいでしょう。

例えばすき焼き。赤身肉・お醤油を使ったあまじょっぱいお料理だとどうでしょう。 赤身のお肉なのでここはやっぱり赤ワインですね! 味付けはすき焼きだと一般的にはしっかりめなので軽すぎるワインだとワインの味わいがお料理に負けてしまいそう…ミディアム~フルあたりが良さそうです。

最後に生卵をからませてまろやかに頂くので、お料理のニュアンスにワインを合わせるなら渋みが強いワインよりは果実味があってまろやかなワインが合いそう!

このように考えていくと今夜のワインはアメリカやチリのワインがいいかな…といった具体的なイメージが出来ますね。

ほかにも、「今日は白身魚のカルパッチョで白ワインを買ってきた。いざワインを飲んでみるとハーブのような爽やかな香りだったからドライハーブを上に散らしてみようかな。」といった味の調整をその場でできてしまうのです。

このようにペアリングに慣れていくとご自宅でのワインのマリアージュ成功率はぐっと高まりますよ。 ぜひ、自由な発想でいろいろなペアリングをご自宅でも楽しんでみてくださいね!

まとめ

ワインのペアリングのコツは何となくイメージできたでしょうか?

ここだけの話ですがソムリエでもペアリングをマリアージュの領域まで持っていくのは結構難しいのです。

色々と研究しながら「こうした方が美味しかった!」、「このワインは今度このお料理と合わせてみよう!」と考えながら最高のマリアージュを自分で見つけた時は本当にうれしいものです。

ソムリエでも「あれ?思っていたより合わない…」と思うことも多々ありますので、難しく考えずコツを少し頭の片隅に入れながら自由にワインのペアリング楽しんでみてはいかがでしょうか!

酒音寧々

東京のフレンチレストランやワインショップでソムリエとして勤務し現在に至る。休日は手料理とともにワインのペアリングを楽しんでいます。