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【初心者用】カベルネソーヴィニヨンの特徴・違い・オススメまで全解説

Cabernet Sauvignon

あなたは赤ワインって聞くとどんな事が思い浮かびますか?

  • 赤い
  • 濃い色
  • 渋い
  • どっしりしてる

そんなイメージがありませんか? この典型的な赤ワインのイメージは、今回ご紹介する「カベルネ・ソーヴィニヨン」という品種からきているのかもしれません。

ん?どう言うこと?と思われた方はぜひ、最後まで読んでみて下さい。

カベルネ・ソーヴィニヨンってどんなブドウ品種?

カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴➀世界栽培面積NO1

カベルネ・ソーヴィニヨンは、赤ワイン用のぶどう品種です。 冷涼な地域から温暖な地域まで、世界各国で栽培されており、ワイン用ブドウ品種としては、栽培面積はNO1です。

日常で楽しめるお手頃な1000円台のものから高級ワインまでカベルネ・ソーヴィニヨンは幅広く使われており、世界で一番楽しまれているブドウ品種と言っても過言ではありません。

カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴➁小さな粒に分厚い皮

カベルネ・ソーヴィニヨンの大きな特徴の一つとして、ぶどうの粒が小さく、皮は濃い紫色で、とても分厚いことが挙げられます。 赤ワインが赤くて、渋い理由、それはぶどうの皮や種から絞りだされる成分が原因です。

カベルネ・ソーヴィニヨンの小粒で分厚い皮と言う特徴故に、特に成分が凝縮されているので、ワインにすると濃い、渋い赤ワインになるのです。 赤ワインのイメージそのものですよね!

カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴➂長期熟成向き

濃すぎる、渋過ぎるワインだと飲みにくい難点もありますよね。 苦手な方も多いかもしれません。 それを和らげるために、ワインはカベルネ・ソーヴィニヨン単一ではなく、他の品種とブレンドして丸みをだす工夫もされます。

それでもなお、造られたばかりの’’若い’’ワインは、濃く、渋くガチッとした印象のものもあります。 しかし、これは裏を返せば長期熟成に耐えられる程のポテンシャルを持っている。と言う最大の強みでもあるんですね。

熟成によって時を経たワインは、渋味が穏やかになり、果実味とのバランスも取れていき、数年、数十年かけて素晴らしいワインが楽しめるようになります。 そういったワインは比較的’’高級ワイン’’とされています。

カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴④フルボディ

ライトボディ・ミディアムボディ・フルボディと言う表現を聞いた事はないでしょうか?

これらは簡単に言うと’’ワインの力強さ’’を表しています。 カベルネ・ソーヴィニヨンは、濃く、渋い、しっかりしたワインで、まさにとても力強い’「フルボディ」のワインになります。 この言葉を知っているだけで、あなたももうワイン通ですね!

カベルネ・ソーヴィニヨンの味わいの特徴 一般的な味わいとしては、 飲んだ瞬間にガツン!とくるパワフルさ、凝縮された果実味、アグレッシブなタンニン(渋み)、酸味を感じることができます。

ここで、真似できるワインのプロの表現方法をご紹介します。

➀カシスやブラックチェリーなどの「黒系果実」

「果実味がある」という表現を聞いた事があるかと思います。

その「果実」には大きく二つに分けられ「’黒系果実」と「赤系果実」とあります。 カベルネ・ソーヴィニヨンのように、色の濃い、濃厚で力強いタイプのワインはカシスやブラックベリーなど黒色の果実を感じる事ができます。 カベルネ・ソーヴィニヨンを飲む時に赤いイチゴやさくらんぼを感じるという方は少ないはずです。

➁清涼感のある植物「ミント」

赤ワインを飲んだ時、青っぽい、スーッとさわやかな感じを受けた印象はありませんか? それは、カベルネではよく「ミント」と表現されます。

ツンとした酸ではなく、上品な酸を感じる事ができます。特に冷涼な地域のカベルネ・ソーヴィニヨンに多い特徴です。

➂湿った土や鉛筆の芯

エッ?と思いませんか? 実はこれらも、プロが使うれっきとしたワインの表現方法なんです。 雨の後の土を匂ってみて下さい。個人的にとても好きな匂いで、不思議とワインが飲みたくなるんです。

カベルネ・ソーヴィニヨンを飲む際はぜひ、雨の日の土の匂いを思い出しながら、鉛筆を片手に楽しんでみて下さい(笑) なるほど!と思う時が必ず来ます!

こんなワインが好みの方には是非カベルネ・ソーヴィニヨンを試して欲しい!

Cabernet Sauvignon and cheese

ボジョレー・ヌーヴォーなど、赤系果実を感じる軽くて飲みやすいチャーミングなワインよりも、しっかりした濃いワインがお好きな方にはカベルネ・ソーヴィニヨンがぴったりです。

またこんな状況のときにもおすすめです!

  • がっつりお肉料理と合わせたい
  • ブルーチーズに合わせたい
  • 飲みごたえが欲しい
  • 今日は飲むぞ!という時
  • アグレッシブな気分の時

こんな時は迷わずカベルネ・ソーヴィニヨンを選んでみて下さい。 とは言うものの、世界中で栽培されている品種なので、産地によって様々な特徴があります。

どの国のカベルネ・ソーヴィニヨンを選んでいいか迷う。なんてことがあるかと思います。 そんな方は次でご紹介する産地別の特徴を知ってみてください。

産地別に見るカベルネ・ソーヴィニヨン

Cabernet Sauvignon and drinking

フランスのカベルネ・ソーヴィニヨン

もともとは、フランスのボルドー地方が原産地と言われている品種です。 ボルドーは赤ワインの産地として有名ですよね。 そしてボルドー産のワインは高級なイメージがありませんか?

ボルドーの、あの5大シャトーをはじめ、高級赤ワインと言われるものにはカベルネ・ソーヴィニヨンが多く使われています。 それはカベルネ・ソーヴィニヨンは長期熟成に耐えうるワインであるが故のこと。 5年・10年・数十年熟成されたワインは驚くべきほど優美な味わいになり、世界のワインラヴァーを魅了しています。

またカベルネ・ソーヴィニヨン単一で造るのではなく、ガチガチなワインを和らげる効果のある他の品種、メルロやカベルネ・フランをブレンドして造られる事が多い産地となります。

このように長期熟成が必要な高級ワインが多いイメージではありますが、フランス国内のものでも実は1000円台のカジュアルなワインも沢山あります。 ぜひ楽しんでみてください。

アメリカのカベルネ・ソーヴィニヨン

フランスに次いで、アメリカ、その中でもカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンが特に有名です。

「パリスの審判」という言葉をご存じでしょうか? カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンを語る上で外せない、ワインの歴史を変えた大事件です。 1976年、パリで行われたワインのプロ集団によるブラインドテイスティングコンテストで、当時まだまだ無名だったカリフォルニア産のカベルネ・ソーヴィニヨンがフランスの有名格付けワインに大勝利したのです。

「フランスの格付けワインを打ち負かした」としてカリフォルニアワインは一気に注目を浴びることになりました。今ではフランスと並ぶほどの、高品質なカベルネのワインを造る銘醸地となっています。

オーストラリアのカベルネ・ソーヴィニヨン

南半球の温暖な地域で栽培されるカベルネ・ソーヴィニヨンは、ぶどうを完熟の状態にする事ができるので、パワフルでとても凝縮した果実味が特徴的です。

ここで是非覚えて頂きたい産地をご紹介します。

南オーストラリア州にある「クナワラ」と言う産地です。 ここはオーストラリア国内だけでなく、世界的にもカベルネ・ソーヴィニヨンの銘醸地として知られています。 クナワラが有名であるのはその土壌が関係しています。 ’’テラロッサ’’=赤い土と言う意味ですが、他にはないその特徴的な土壌が、カベルネ・ソーヴィニヨンを造るのに適しているのです。

実際に訪れた事がありますが、クナワラの土は本当に文字通り’’赤い土’’が見事に広がっていて感動したのを覚えています。 そんなレアな土壌で造られるクナワラのカベルネ・ソーヴィニヨンは是非試して頂きたいワインの一つです。

チリのカベルネ・ソーヴィニヨン

「チリ・カベ」と言う言葉が日本で大ブームになりました。 チリ産のカベルネ・ソーヴィニヨンのワインを略してそう呼びます。面白いですよね。 ぜひ使ってみて下さい!

そんな愛称が出来る程人気のチリワイン。 チリはとても温暖で、さらに雨量が少なく乾燥している気候が、この品種の生育にとても適しています。 カベルネ・ソーヴィニヨン特有の、濃くしっかりとした渋みに、チリ特有の完熟した溢れんばかりの果実味が相まって、とてもジューシーなワインが生まれます。

このボリュームのある果実味のおかげもあり、チリのワインは熟成を待たずして割と早くから飲む事ができ、お家ワインとしての人気を確立しています。

イタリアのカベルネ・ソーヴィニヨン

そして忘れてはいけません。 「スーパータスカン」と言う言葉を聞いた事はありませんか? イタリアワイン史のターニングポイントとなった出来事です。

イタリアには元々、サンジョベーゼと言うその土地固有の品種があり、それを使ってワインを造るのが当たりまえとされ、法律までありました。 しかし、法律に縛られていては良いワインは造れない。もっと世界に通用する高品質なワインを造りたい。との想いを持った生産者が増え、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといった、いわゆる’’ボルドー品種’’が植えられるようになったのです。

特にイタリアのトスカーナ地方は日照時間が十分にあることからカベルネ・ソーヴィニヨンに適した土地でした。 その為1970年代には高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンのワインが次々造られ、今では、すごいトスカーナのワイン=「スーパータスカン」として知られるようになったのです。

スーパータスカンと言われるものには数万円もする高級ワインも誕生し、世界的にも認められるようになりました。 それらのワインはイタリアの良さを感じつつも、ボルドーの片鱗ものぞかせるエレガントなスタイルが特徴的です。

【+wine編集部より】+wineのおすすめカベルネ・ソーヴィニヨン

ここで、+wine編集部より+wineでおすすめカベルネ・ソーヴィニヨンをご紹介します

まずはこれ。「ブレッド&バター カベルネ・ソーヴィニヨン」です。

こちらアメリカ大統領主催のランチミーティングでも提供されたワインを作る新鋭ワイナリーが作るカベルネ・ソーヴィニヨンで、 ベリーやカシスの香りに、樽熟成からくるバニラやスパイスのニュアンスが加わり、濃厚な仕上がりになっています。

まさにカリフォルニアらしいカベルネ・ソーヴィニヨンで、多くの方がイメージする「どっしりとした赤ワイン」といったところ。ガッツリ系のお肉料理に合わせるのもよし、夜ゆっくり味わうのもよしな1本です。

続いておすすめしたいのが「ステルマー カベルネ・ソーヴィニヨン」。こちらは3,000円以下という高コスパながら、かなり完成度の高い1本で、デイリーワインにはもってこいです(実際に+wine店長宅でもよく開けています(笑))。

先にご紹介したブレッド&バターのカベルネ・ソーヴィニヨンよりも、あっさり目ではありますが、タンニンがきめ細かく非常に飲みやすい仕上がりになっています。

ラベルがアーティスティックでおしゃれなのもGOOD。カジュアルにテーブル彩りたい時にはもってこいです。

まとめ

いかがでしたか?

カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴である ・濃い色調 ・渋い ・どっしりしている これはまさに、あなたの持っている赤ワインのイメージそのものではないでしょうか?

そして産地によって様々な特徴があります。

  • 長期熟成により変化するボルドーワイン
  • フランスに並ぶ程の高品質なカリフォルニアワイン
  • パワフルで凝縮された果実味のオーストラリアワイン
  • 濃厚な果実味で早飲みが出来るチリ・カベ
  • イタリアとボルドーが融合したスーパータスカン

いつもワイン選びに迷う。 という方はぜひ一度、品種を絞ってみて好みの産地を見つけてみてはいかがでしょうか?

いと

ワインの店舗販売をはじめ、約8年程ワインのお仕事に携わる。 オーストラリアのほとんどの主要ワイン産地を巡り、現地ワイナリーでも勤務したこともあるほどのワイン好き。妊娠中にはノンアルコールワインにはまり、今でも嗜む子育てママ。WSET Level3、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート保有者。