ノンアルでアルコールが入っていることがある!ノンアルの注意点
見出しを見て、驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
近年市場が広がっているノンアルコール飲料ですが、ノンアルコールといいながら、アルコールが0.00%とは限らないのです。
アルコールを身体に入れたくないためにノンアル飲料を選んだはずなのに、知らない間に身体にアルコールが入っていたり、知らずに運転をし法律違反をしてしまうかもしれません。そのようなことは避けたいですよね。
本日は、知っているようで知らないノンアルコール飲料に関する注意点をご紹介します。
酒税法上は1%未満のアルコール量はノンアルと表記される!
はい、そうなんです。日本の酒税法では1%未満のアルコールであれば、「ノンアルコール〇〇」と表記されるのです!
〇〇のところはお酒の名前が入ります。「ノンアルコールビール」「ノンアルコールワイン」などです。 アルコールが0.9%でも0.00%でも「ノンアル」と名乗ることが許されているので、「今日は車で来たからノンアルで」「妊娠中だからノンアルで」と手に取った飲料にアルコールが入っている可能性があり、注意が必要です。
そのため「ノンアル」の表記だけでなく、「このノンアル飲料のアルコールは何%かな?」と確認するクセをつけることをおすすめします。
1%未満のアルコールってどのくらい?
それでは、1%未満のアルコールとは、一体どのくらいなのでしょうか?
酔い方には「公益社団法人アルコール健康医学協会」が定めた6つの段階があります。1番始めは「爽快期」といって爽やかで陽気な気持ちになる状態です。人によっては顔がほんのり赤くなったりも。
1%未満のアルコールもこれに近い状態と考えられます。 そこで、酔いの程度が測れるアプリに「0.9%のアルコール度数を350ml飲んだら?」と仮の数字を入れてみました。判定は「純アルコール3g・アルコール血中濃度0.01%」というもの。
酔い方の度合いの初期「爽快期」は血中濃度が0.02%〜0.05%未満とされているので、1%未満のノンアルを飲んでも「爽快期」まではいきませんでした。アルコール1%未満は法律でも「お酒」の部類に入らないので正当といえます。
それでも血中濃度にアルコールが反映されていることから、楽しい気持ちになったり、判断力が少し衰えているという状態はありそうです。
ちなみにアルコール度数を3%まであげると、「爽快期」である血中濃度0.02%になります。
1%未満のアルコールを含むノンアルを飲んで運転したらアウト?
これは、ずばりアウトです!アルコールが0.00%と表示してあるものは大丈夫ですが、0.1%でも含まれていたら自動車も自転車も運転してはいけません。 微量のアルコールといえば、アルコール飲料の他にチョコレートや漬物など、食品に含まれているものがあります。
「お酒の入ったチョコを食べて運転してはダメなのでは?」という声も聞こえてきそうです。実際にこれらのお菓子や、ノンアル飲料を飲んで酒気帯び運転で摘発された例はないと聞きます。しかし、アルコールが身体に及ぼす影響は個人差が大きいので、運転の前にアルコールを含む飲料や食べ物は控えた方がいいでしょう。
例え酒気帯び基準の「呼気中0.15mg/lまたは血中0.3mg/ml」に達していなくても、「正常な判断」ができない状態では飲酒運転扱いになります。 また違反がどうこうというよりも、少しでも身体にアルコールが入ると、集中力やとっさの判断力が鈍ってしまいますから、運転が危なくなる可能性は否めません。
自分や周りの命を大切にするためにも、基準値やアルコールの量に関係なく、1%未満でもアルコールが身体に入ったら、運転はやめましょう。
そもそも糖分を含む飲み物には自然発酵によるアルコールが含まれていることも
自宅で梅シロップを作っていたつもりが、梅酒になってしまっていた…という話を聞いたことがありませんか?
梅や容器に微生物が付着していると、梅シロップの中の糖を微生物が分解し、アルコールを作り出すのです。ですから、意図していないところで、酵母と糖分が出会うとアルコールに変化することがあります。
アルコールはお酒の顔をしていなくても、案外身近に存在することがあるのです。
妊娠中に誤って1%未満のアルコールが含まれる飲み物を飲んでしまった場合は?
妊娠中、ノンアルを飲んだつもりが1%未満とはいえアルコールが含まれていたらあわててしまいますよね。妊娠中のアルコール摂取は、胎児の発育遅延や早産・流産につながる可能性があり、NGとされているのはみなさんご存知の通りです。
しかしそれは、微量のアルコールの飲酒よりも、お母さんが「大量の飲酒」をした場合に胎児に影響が出やすいとされています。ですから、妊娠中誤って1%未満のアルコール飲料を飲んでしまったとしても、過剰に心配しなくても大丈夫です。
とはいえ、妊娠中のアルコール摂取の「絶対安全とされるライン」は定められていないため、健診の際お医者さんにひとこと伝えておいたら安心ですね。
妊娠中はノンアルを飲むのも良くない?
妊娠中にはノンアル飲料でアルコールが0.00%のものならば、飲んでも大丈夫です! 各飲料メーカーのホームページでも「アルコール0.00%なので、妊娠中や授乳中に飲用しても影響はありません」と示しています。
しかし、他のドリンク同様、なんでも過剰に取りすぎるのはよくありませんよね。アルコール以外の原材料や添加物の成分が身体にもたらす影響は個人差もあり、わかりかねるところがあるからです。
お母さんは妊娠中、いつもと違う状態で過ごし、心身ともに負担が多いことでしょう。そんな時にホッとひと息つき、リフレッシュのためにノンアルを飲む程度なら問題ないですし、むしろリラックス効果をもたらして、精神的にも良さそうです。
妊娠中こそ、ノンアルコール飲料を上手に活用してくださいね。
子どもにはノンアルを飲ませてもいい?
ノンアルはアルコール0.00%であっても子どもには飲ませない方がいいでしょう。なぜなら、お酒に近いテイストで作られているため、未成年の酒類への誘引につながる恐れがあるからです。
メーカーでも、20歳以上が口にすることを想定して作りました、として未成年の摂取は推奨していません。「お酒への興味を早いうちから持たないように」「飲酒が習慣にならないように」という配慮もあります。
どちらにしても、子どものうちは他にいくらでも美味しいものや興味を惹くものがありますから、わざわざノンアルコールを飲ませる必要はありませんね。
ノンアルを飲んで酔った感じになるのはなぜ?
ノンアルを飲んでいるはずなのに、ホワーっと気持ちよくなることはありませんか?これは、ズバリ、脳が錯覚しているのです!
ノンアルコール飲料は各メーカーの研究や努力で、お酒に似たフレーバーで作られています。原材料も同じものを使用しています。すると本物そっくりの風味を感じた脳が、お酒を飲んだ時の記憶を思い出して「お酒だ!」と勘違いをし、ほろ酔い気分へ誘います。面白いですよね。
そのような状態のことを「空酔い」と呼び、実際にアルコールを摂取していなくても、リラックス度が増したり、高揚感や楽しさがアップするのです。
京都大学と酒造メーカーが男女22名に対してノンアルコールワイン150mlを飲んでもらって行った実験があります。実験後に答えてもらったアンケートでは「高揚感」「楽しさ」が普通のワインを飲んだ時と同じだったそうです。さらに自律神経でリラックス度を計測したところ、こちらはなんとアルコールが入ったワインを飲んだ時よりも、リラックスの度合いが高く見受けられました。
その理由として、ノンアルにはアルコールが入っていないため、「悪酔いすることはない」という安心感が大きく飲む側のリラックス度が増したのではないかとみられています。
お酒と脳は深い関係にありそうで興味深いですね。
まとめ
ノンアルコール飲料にまつわるあれこれや注意点をお話ししてまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
今日のポイントです。
- ノンアルはアルコールが0.00%ではなく、1%未満のものをいう
- ノンアルでもアルコールが1%未満入っていたら運転はNG
- 妊娠中に1%未満のアルコールが含まれたノンアルを誤って飲んだ程度では、あわてなくても大丈夫
- 妊娠中アルコール0.00%のノンアルを飲むのはOK
- 子どもには飲ませない
- ノンアルで酔った感じになるのは脳の錯覚
ノンアルコール飲料は、味も美味しく色もお酒そっくりで本当にお酒を飲んだような雰囲気が楽しめます。アルコール度数の確認だけ注意しておけば、様々なシーンで活用することができそうです。
妊娠前からお酒を嗜んでいたお母さんも、妊娠中ということに気兼ねなく、上手にノンアル飲料を取り入れてくださいね。
妊娠期間中、なくてはならない息抜きのアイテムの一つとして活用し、10ヶ月を心穏やかに過ごせますように。